他人の顔写真に落書き、なんてことは、今の大人たちが子ども時代にも当然経験があったはず。読者のそんな子ども心をくすぐろうとしたのはわかるが、やはり悪ノリしすぎたと言えそうなのが、小学館発行で小学生に絶大な人気を誇る漫画誌「月刊コロコロコミック」だ。同誌の最新号である3月号に掲載された漫画「やりすぎ!!!イタズラくん」の中でモンゴルの英雄「チンギス・ハーン」の肖像画のおでこの部分に“男の子の下半身”の落書きが描かれたことで、在日モンゴル大使館を筆頭に国内外から批判が発生。たちまち国際問題にまで発展してしまったわけだが、その余波が収まっていない様子である。
「2月25日から27日にかけて、大手3書店が当該のコロコロコミック3月号の販売を中止したようです。うち1書店では販売中止の理由を、来店したモンゴル人客から『雑誌を販売しないでほしい』と直接抗議があったことで、さまざまな安全面を考えたうえで決定したとしています。当該号がすべて回収されるかどうかは、版元の小学館しだいですが、ネット上では『作者以上に悪ノリなのは編集部』という非難も出ているんです」(週刊誌記者)
作者以上に悪ノリと指摘されているのは、同号にある「イタズラクガキコンテスト開催!!」という告知コーナー。ここでは編集部主導で豊臣秀吉の肖像に落書きしたものを例としてあげながら、読者には足利義満と問題のチンギス・ハーンの肖像画への落書きを“出題”。それを〈偉人さんの絵にイタズラ描き!そのおもしろさを競うコンテストだ!エンピツさえあれば誰でも参加OK。キミのイタズラセンスを絵にぶつけてくれ!!〉とのアオリ文句で募集しているのだった。
「今回の騒動を受けて、さすがに5月号で優秀者を発表すると告知していたコンテストは中止になりましたが、あまりにハイテンションな盛り上げ方に、作家以上にノリノリだったのは編集部なのでは?と批判が多いのもうなずけます。ネット上では『表現の自由』という擁護コメントもありますが、今回の例以上にシャレにならないような問題が起きかねない企画でしたね」(前出・週刊誌記者)
編集部は「さすがにやりすぎた」とばかりに謝罪のテイ。今回は「上手の手から水が漏れる」ということで済むかもしれないが、騒動で雑誌を買えなかったり、コンテスト中止で一番ガッカリしているのは子どもたちだろう。ぜひ、コロコロコミックには今後の誌面で汚名返上してほしい。
(山田ここ)