10月26日に都内ホテルで行われた、今年のプロ野球ドラフト会議。即戦力選手が充実していた上、事前に1位指名を公表したのが4球団にとどまったことから重複指名が相次ぎ、1位指名の抽選は合計で7回を数えた。
その中で大きくクローズアップされたのは、かつてヤクルトでユーティリティープレイヤーとして活躍した度会博文氏(現ヤクルトアカデミー・ヘッドコーチ)を父に持つ、ENEOS所属の度会隆輝外野手だった。
横浜高校3年時に迎えた2020年のドラフト会議では指名漏れの悔しさを味わうも、今回はDeNA、中日、ロッテの3球団が1位指名。見事に3年前のリベンジを果たしている。
その交渉権を獲得したのは、三浦大輔監督がクジで引き当てたDeNA。幼少期からDeNAファンだったというだけに「嬉しすぎて涙と鼻水が止まらない」と、喜びを爆発させた。
意中の球団に入ることになり感涙したわけだが、ドラフト前日には「競合球団」への気遣いを見せていた。
「以前から彼は、自身のインスタグラムのプロフィール欄に『好きな食べ物』を書いているんですが、ドラフト前日に中日が1位指名を公言してから、その食べ物を変更したんです」(スポーツライター)
これまで「お寿司大好き」と記していた度会だが、
「背景にあるのは、今年8月に報じられた中日の『令和の米騒動』。立浪和義監督が『ご飯の食べ過ぎで選手のパフォーマンスが落ちる』と考えて『炊飯器を撤去し、白米の提供を禁じた』というものです。度会が『お寿司大好き』と書いていたことで『中日に入ったら寿司が食べられないぞ』といった指摘がファンから上がっていました。そこで書き換えたのが『刺身大好き』。中日のメンツを潰さないための 『神配慮』ですよ」(前出・スポーツライター)
DeNAの交渉権獲得後には「お寿司大好き」に戻っていた、度会のプロフィール。気配りはメジャー級なのだった。
(川瀬大輔)