オリオールズで先発ローテーション入りし、ブルージェイズとの開幕4連戦で念願のメジャーデビューを果たすのは、菅野智之だ。
オープン戦5試合に登板し、15回を投げて5失点、防御率3.00だったが、うち4試合は無失点で、開幕ローテをつかみ取った。このままの状態をキープすれば、公式戦でも大崩れすることはなさそうである。
日本球界での実績は十分だったが、35歳という年齢がネックとなり、単年8億円の契約。2年目以降のオプションはついていない。仮に今季、さしたる実績を残せなければチームを離れることになるが、逆にそれが菅野にとっては追い風となる可能性がある。スポーツ紙メジャーリーグ担当デスクが言うには、
「好スタートを切った段階で、オリオールズは来季以降の契約話を持ち出すでしょうが、菅野としてはなにも慌てて契約をする必要はない。投手だし、年齢的に長期契約を結ぶことは難しいにしても、完全な売り手市場となることは間違いないですから。おそらく2年50億円程度が必要になってくる。菅野はドジャースのムーキー・ベッツと同じ代理人のVCスポーツグループと契約している。実績豊富な事務所ですから、菅野に有利な契約を持ってくるでしょうね」
日本球界とは違い、ポスト・シーズン進出が絶望的になったチームは翌年以降の再建を目指し、FA間近な選手やベテランをポスト・シーズン争いをするチームに放出し、若手有望株の獲得に乗り出す。
「実力が証明されれば、菅野はその対象となるでしょう。シーズン中に他球団に移籍し、そこで好成績を残せばさらに評価が高まり、金額は釣り上がる」(前出・スポーツ紙メジャー担当デスク)
早い段階でツバをつけておきたいチームが出てきても不思議ではないというのだ。
(阿部勝彦)