「みなさん、こんにちは。私の大好きな股間の恋人の“アサ芸”に登場できるとは光栄であります」──2017年にインタビューで週刊アサヒ芸能にも登場した「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏(享年77)は意気軒昂にこう語っていたものだ。あれからわずか1年余り、野崎氏は突然、帰らぬ人となってしまった。司法解剖で体内から検出されたのは、致死量を越える薬物。そして浮かび上がったのは、4000人を超える華麗な女性交遊だった。
事件発生から3週間以上が経過してもいまだ全容が解明されていない、「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏怪死事件。連日、野崎氏への覚醒剤の投与という、さながら密室ミステリーのような謎解きを巡ってさまざまな情報が錯綜しているものの、肝心の野崎氏と覚醒剤との“接点”は不明のままだ。
「捜査当局の疑惑の目は、野崎氏の遺体の第一発見者である55歳年下の新妻のSさんと、第二発見者で家政婦のXさんに向けられている。事件当日、不審者による自宅への侵入の形跡はなく、死亡推定時刻である5月24日の午後9時頃に自宅にいたのは、SさんとXさんだけだった。2人とも事件直後の取り調べでは、ウソ発見器にかけられたほか、現在も24時間態勢で当局の監視下にあります。しかし、2人の周辺に覚醒剤を取り扱う人物が見当たらず、解決にはまだ時間を要しそうです」(社会部記者)
それだけではない。これまで「4000人の美女に30億円貢いだ男」として、その交遊関係が桁外れに広いだけに、関係者の洗い出しにも一苦労しそうな雲行きなのだ。
そうした中、過去にドン・ファンと親密に交際していた愛人と接触。生前の飽くなき女性への執着ぶりについて、独自の証言を得ることができた。
コンドームの訪問販売を皮切りに、貸金業にまで手を広げ、一代で50億円もの資産を築いた野崎氏。その金の使いみちはもっぱら女性だった。ただし、野崎氏のストライクゾーンはかなり狭く、美人で背が高くて「ボン・キュ・ボン」のスタイルのいい女性にしか興味を示さなかった。
かつては銀座や大阪・北新地の高級クラブでホステスと浮き名を流していたが、手間暇がかかるからと、最近ではもっぱらナンパと交際クラブを利用していた。
「メールで相手の写真とスリーサイズが送られてくるでしょ。気に入らなかったらパスすればいいだけですから、楽ですよ」
生前のドン・ファンはそううそぶいていたが、お気に入りの女性に出会うとすぐに、「結婚しましょう」と言うのが口癖だった。
現在、都内でOLをしている20代のKさんも、そんなプロポーズをされた女性の一人である。165センチのスラリとした体形にEカップのボディは、野崎氏の好みのタイプだった。一昨年に交際クラブの紹介で野崎氏と知り合って、一目ぼれされたという。Kさんが言う。
「一見ギラギラとした感じではないんですが、とにかく押しが強い方でした。『Hできませんかね。よろしくお願い申し上げます』って頭を深々と下げるんです。それを見ていると、なんだかかわいそうになってしまうんですよ。それも彼の作戦なのかもしれませんけれど」
野崎氏がKさんに提示した金額は、なんと30万円だったというのだが‥‥。Kさんが続ける。
「エッチはそれほどハードではありませんでした。『ボクが満足すればいいんですから』って言われたのも記憶に残っています。私の体の上でうれしそうにピョンピョン跳ねていました。彼は交通事故の後遺症で足が少し悪くて前につんのめるように歩くのですが、『三本目の足は丈夫だから』って威張っていました。彼は身体障害者手帳を持っていますが、言うほど立派な3本目ではありませんでしたけど(笑)」