当初から結婚を意識していたからか、野崎氏はKさんを故郷である和歌山県田辺市にも招待。そればかりか、親しい知人にも紹介するなど、かなり入れ込んでいたという。
「白浜温泉の高級リゾートホテルに招待されて豪華な食事を共にした時には、お膳に出てきたクネクネと動くアワビを見ながら『これはKちゃんのあれのようだねえ』とドン・ファンがニタニタと笑っていましたが、それはいやらしいものではなく、挨拶のように感じたのを覚えています」
その後、山間の温泉地を回ったKさんに対し、野崎氏は、再度プロポーズ。
「ここはボクが本命の女性を連れていく場所なんですよ」とまで迫ってアプローチしたばかりか、都内のパーティーでは旧知のデヴィ夫人と同席する機会もあったという。
「ずいぶんとかわいい方ですね。あなた、これなら一緒になったほうがいいんじゃないですか」
野崎氏は夫人からこんな“お墨付き”をもらったというが、最後の難関をクリアすることができなかった。Kさんの両親の反対にあったのだ。Kさんは電話で野崎氏に別れを告げた。
「すみません。両親に相談したところ、50歳以上もの年の差の方と結婚するのはおかしいと反対されたんです。籍を入れることはできません。今回はご縁がなかったということで‥‥」
すると野崎氏の態度が豹変。
「なんとかなりませんでしょうか。私の財産をあげますから」と、朝から晩までコール音が鳴りっぱなしになったというのだ。
「常軌を逸したような電話攻勢でした。それで彼の電話は着信拒否にしたんですから」
その後、野崎氏は、ファンと称する男性から紹介された現夫人のSさんと交際の末、今年2月に入籍。それからわずか3カ月後に不慮の死を遂げることとなったのだった。