武装勢力によりシリアで拘束されていたジャーナリスト・安田純平さんを巡る議論が過熱している。
11月2日、日本記者クラブで会見を開いた安田さんだが、その後、テレビでは「自己責任論」に関する話題を繰り返し報道。そんな中、安田さんにとりわけ厳しい論調だったのが「バイキング」(フジテレビ系)である。11月5日放送の同番組では冒頭からシリア拘束事件を特集。MCの坂上忍は安田さんについて「日本政府が助けてくれるだろうという甘えがあったのでは」と厳しく指摘した。
アメフトの「悪質タックル騒動」や「ボクシング連盟不正疑惑」など視聴者の心情を汲むことに定評のある同番組。今回の放送も視聴者ウケが良かったかと思いきや──。
「実は、過去最大レベルで視聴者からの抗議が番組宛てに殺到したんですよ。SNS上でも番組への批判コメントが吹き荒れていました」と明かすのは同局関係者。さらにこうも証言する。
「『自己責任論』に反対する視聴者からの意見だけでなく、坂上の『“安田さん叩き”以外の意見を許さないMCとしての姿勢』への抗議が噴出しました。局内では『世間の流れを読み間違えた』ともっぱらですよ」
視聴者の義憤をアオる“黄金パターン”も限界に近づいているのかもしれない。
(白川健一)