お笑いタレントのカンニング竹山が11月16日放送の「カンニング竹山の土曜The NIGHT」(AbemaTV)に出演し、自身のキャリアについて「1個も成功してない」と断言するひと幕があった。
若者の雇用や賃金を巡るテーマで激論を交わす今回の企画には、株式会社ZOZOでコミュニケーションデザイン室長を務める田端信太郎氏や、NPO法人ほっとプラスの代表理事の藤田孝典氏も参戦し、竹山と熱い舌戦を披露。
話題が“若者の正規雇用の受け皿不足”へと及び、藤田氏はその現状を限られた中でたがいに椅子を奪い合う椅子取りゲームに例えると、すかさず田端氏が「自分の椅子は自分で作ったらどうですか?」と返し、決められたレールではなく、みずから道を切り開く案を提示。これに藤田氏が「成功者はいつもそうやって言うんですよ」と応戦すると、今度は竹山が「(藤田氏には)本当に申し訳ないけど、一番オレのイヤな意見がそれ」と一蹴した。
続けて竹山は「オレは1個も成功してない!」とし、「己が悪いんだけど、借金だらけだし。成功者でも何でもない。悪いけど、藤田さんよりももっとひどい。人間のクズだったよオレ、ホントに。タバコだって拾って吸ったりしてたし」と熱弁。売れない時代の荒れた日々を振り返るも、その後は心を入れ替え、「寝ずに頑張りましたよ。で、結果こうなった。結果、それでダメなら博多帰ろうと思った。普通に地道に働いたりしようと思った」と語っている。
「竹山の不遇時代の長さは彼のファンであれば誰もが知るところであり、かつてのコンビ・“ター坊ケン坊”時代はもちろん、06年に他界した元相方・中島忠幸氏との“カンニング”時代もブレイクしたキッカケは04年に出演した『エンタの神様』(日本テレビ系)で“今この場で大きい方の用を足す”という意味のことを声高に宣言し、半ば放送事故のようなトラブルを起こした騒動だとされています。後に竹山は舞台上で本当に“大”を排泄してから“芸人を辞めて博多に帰るつもりだった”と回顧しており、いかに竹山が崖っぷちに立っていたかがわかります。そのような経緯などをすべて取っ払い、“成功者”と一括りにされることに、竹山自身は違和感を覚えているのかもしれません」(テレビ誌ライター)
番組内の討論企画において、突如露見した竹山の本音と意地。やはり地獄のドン底を味わった成り上がり芸人の言葉には独特の重みがあり、また、緊張感を帯びており、芸能界とお茶の間から長く愛されるユエンが垣間見られた瞬間だったといえるだろう。
(木村慎吾)