高級フグを締めまで残らず格安で味わう 全メニューがボリューム満点のせんべろ店
1924年に、現在の店主の祖父が酒屋として創業した「常盤木」。時代の流れに合わせて、市民酒場へと変貌を遂げてから80年近くが経つ。“ハマのドック”と呼ばれた横浜造船所に携わる労働者に、高級品のフグを安く味わってほしいとの思いで設定された良心的な価格は今にも受け継がれている。10月後半から3月末まで提供される「ふぐ豆腐」は、1人前とは思えないボリュームで2000円。豆腐、白菜、春菊、長ネギ、そしてフグの入った湯豆腐で、汁は野菜とフグのアラから出る出汁の風味だけ。それでも締めに雑炊を楽しめるほどの深みがある。つけだれにはダイダイを絞るのが同店流。爽やかな香りと薬味の辛味がマッチして、フグの旨みを引き立ててくれる。なお、使用するのは臭味の少ないショウサイフグのみ。ふぐ豆腐は事前予約制だが、フライなどの一品料理やひれ酒ならその場でオーダーが可能だ。
店主はかつて、中華街の老舗店で長年厨房を任されていた経歴も。その経験を活かした「自家製シューマイ」はふんわりとした食感が魅力。甘みが強めな自家製叉焼をピリ辛のネギと絡める「ねぎチャーシュウ」は、海苔で巻けばまろやかな味わいになる。この時期限定の「ダイダイサワー」とも相性抜群なだけに飲みすぎ注意だ。
■市民酒場 常盤木
住所:神奈川県横浜市西区戸部町5-179 電話:045-231-8745 営業時間:17:00~22:00 定休日:土・日・祝