新たな犠牲者が出れば出るほど、視聴率も下がっていくのか。〈毎週、死にます。〉という刺激的なキャッチフレーズで放送中のドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)が低迷している。
4月14日の初回放送は8.3%に留まり、日本テレビの日曜ドラマ枠が「今日から俺は!!」「3年A組」と続けてきた好調な流れを断ち切ることに。そして21日の第2話では6.5%に下落し、早くも視聴者離れが露呈した形だ。その原因についてテレビ誌のライターが指摘する。
「本作については細かな部分での設定の甘さが指摘されるほか、おどろおどろし過ぎる劇判曲が興を殺ぐといった声もあり、現状では打開策が見えない状況です。しかしなんといっても不調の原因は、交換殺人という重いテーマを日曜の夜にもってきた日本テレビ側の選択ミスにあるのではないでしょうか。翌日から会社や学校が始まる日曜の夜には、視聴後に爽快な気分を味わえる作品が向いており、ここ2作品ではそれがズバリ当たっていたのですが…」
おバカなヤンキーが活躍する「今日から俺は!!」も、生徒を監禁した熱血教師が派手に立ち回る「3年A組」にしても、視聴者が毎回〈ああ、面白かった!〉とスカッとできる作品だ。「3年A組」では主人公が生徒の命を奪うシーンがあったものの、視聴者に「本当は殺してないのでは?」と推理させる余地を残し、実際には殺していなかったことで主人公の求心力を高めるという巧みな演出が話題を呼んでいた。
それに対して「あなたの番です」では初回からマンション管理人が転落死する場面を映し出し、第2話では片桐仁の演じる整形外科医の自宅に、憎んでいたライバル医師の生首が置かれていた。サスペンスドラマとしては正解かもしれないが、視聴者にしてみればそんな衝撃シーンを見てからゆっくりと寝るわけにもいかないのは明らかだろう。
「今期の日テレドラマを見渡すと、20日にスタートした『俺のスカート、どこ行った?』こそ、日曜ドラマ枠で放送すべきように思えます。本作では古田新太が女装家の高校教師役を務め、一歩間違えればトンデモドラマになりそうなところを巧みな演技で良質なエンターテイメントに仕上げているのが見どころ。笑いの中に感動もあり、まさに日曜ドラマ向きの作品です。そして『あなたの番です』を土曜枠にすれば、視聴後にぐったり疲れても翌日が休みなので心安らかに眠れたはず。日テレは今からでも放送枠の交換を検討したほうがいいのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
日曜の夜には古田新太の怪演でゲラゲラ笑いたいと思う視聴者も多いのではないだろうか。
(金田麻有)