人気は十分にあるが、やはりそれこそがグループが長年抱える課題か?
昨年7月には明治神宮野球場と秩父宮ラグビー場で同一アーティストの単独ライブとしては史上初の2会場同時でライブを敢行。さらには17年、18年と2年連続で日本レコード大賞を受賞するなど、今や女性グループアイドル界の頂点を獲ったといっても過言ではない乃木坂46。
しかし、そんな同グループだが、今後もまだまだ課題を抱えていると某アイドル誌ライターは分析する。
「女性誌のモデルを務めるメンバーも多く、今までの女性グループアイドルの常識を覆すほどの女性人気の高さを誇るなど、死角はないように思える乃木坂。ですが、AKB48の『ヘビーローテーション』や『恋するフォーチュンクッキー』、欅坂46の『サイレントマジョリティー』のように誰もが口ずさめるような国民的ヒットソングがないというのは正直なところ。実際、初代センターを務めた元メンバーの生駒里奈も2年ほど前に、ラジオ番組で、『たとえば“恋するフォーチュンクッキー”だったらカラオケ行って(ランキングの)上位にあって、欅坂46の“サイレントマジョリティー”も必ず上位にあるんですよ。でも乃木坂ってまだ上位になくて、う~んっていうのを、すごいみんなで思ってて…』『そういうのがないとヒットにならないよね。枚数もそうかもしれないけど、知られるっていうことがいちばんヒットなのかなって』と、国民に愛されるヒットソングの誕生を切実に願っていました。実際、昨年レコード大賞を受賞した『シンクロニシティ』を知らないという人もたくさんいたことから、DA PUMPの『U. S. A. 』こそ大賞にふさわしいという意見が多く見られましたからね」
乃木坂の現エースと評されている齋藤飛鳥も、去る4月9日にネット配信された日刊スポーツのインタビュー記事で、欅坂についての印象を聞かれ、「『欅坂さんが好き』と言うアーティストさんは多いし、私たちにはあまりない部分だから純粋にすごいと思う」と語っている。
「男性デュオのコブクロが昨年11月に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で、『サイレントマジョリティー』をアコースティックバージョンでカバー。その他にもSEKAI NO OWARIのFukase、THE YELLOW MONKEYの吉井和哉、平井堅、明石家さんま、ウッチャンナンチャンの内村光良、中村勘九郎、本田翼、吉岡里帆など、確かに芸能人のファンが欅坂には多いです。
ただし、Mr.Childrenの桜井和寿がJUN SKY WALKER(S)のベーシストで音楽プロデューサーの寺岡呼人が主宰するライブイベントで、乃木坂の隠れた名曲『きっかけ』をカバーして、『すげえいい曲だぞ』と絶賛していますし、乃木坂を好きな芸能人もゼロではありません。ただ、欅坂と比べるとまだ目立たない感は否めません。著名人たちに好かれているということも、国民的ヒットソングを持つ1つの指標ともいえるでしょう」(前出・アイドル誌ライター)
まずは誰もが知るヒット曲を歌唱し、今年こそ文句なしの日本レコード大賞を受賞することが一番の目標といえるだろう。
(石田安竹)