今年最高の39.2%もの高視聴率をたたき出した10月13日のラグビーW杯・日本対スコットランドの一戦。日本にとって悲願のベスト8進出がかかっていたことや、超大型台風で試合そのものの開催が危惧されたこともあり、国民的な関心事となった。
これだけの視聴率を稼ぐと、中継した日本テレビ以外の民放各局はお手上げだ。NHK大河ドラマ「いだてん」は、ついに最低視聴率を更新する3.7%。TBSはラテ欄に「歴史的な日ですが…」と投げやりな姿勢だった「UTAGE!」が、中居正広の司会でオンエアされたが、5.5%に終わる。日テレのラグビーW杯が後輩の櫻井翔をスペシャルサポーターに置いているので、その対比がくっきりと浮かび上がった。
「あえて“負け戦”に中居が担ぎ出されたのは、木村拓哉の主演ドラマに傷をつけさせたくなかったためと言われています」
こう語るのはドラマ事情に詳しいテレビ誌編集者だ。
「キムタク主演のTBS日曜劇場枠の『グランメゾン東京』は、10月期ドラマとしては異例の10月20日スタート。すでに各局の秋ドラマは2話や3話と進んでいるのに、ここまで遅らせたのは日本対スコットランドの一戦が決まっていたためと推察されます」(前出・テレビ誌編集者)
敵前逃亡を決めた形だが、実は二の矢が襲ってきた。日本がベスト8進出を決めたため、準々決勝の南アフリカ戦が10月20日にぶつかったのだ。
「スコットランド戦よりキックオフが30分早くて19時15分ですが、それでも、キムタクドラマが始まる21時に割り込んでくることは確実。スコットランド戦の瞬間最高視聴率53.7%が21時41分でしたから、ここから30分早めると21時10分頃にピークを迎える可能性があります」(スポーツジャーナリスト)
ドラマ界にとって、まして全力体制のキムタクドラマにとって「初回視聴率」は何より大事。前クールがラグビーブームに火をつけた「ノーサイド・ゲーム」だったが、その影響で足を引っ張られるとは何とも皮肉である。