シンプルで懐かしいメニューが心を踊らせる ほんのり甘い「厚焼き玉子」とホッピーがマッチ
新幹線の高架下、築80年ほどという古民家の赴きを生かした造り。祖父母の家のような懐かしさと、秘密基地めいたワクワク感が共存した呑み処だ。店先に置かれた臼と杵は、かつて臼屋を営んでいた、店主の亡き父親の手作り品。店名も、その時代の屋号を引き継いで名付けたそうだ。
店主の家族への思いはメニューにも表れていて、余計なものが一切入っていないシンプルな「キャベツ炒め」は、幼いころによく食べた祖母の味をそのまま再現しているという。当の店主は、鮮魚店やすし職人の経歴を持つ。その日一番のおすすめを盛った「刺盛」は、店主の目利きで厳選された新鮮な魚が味わえると人気の一品だ。「厚焼き玉子」はふっくらとしてほんのり甘いすし屋の味ながら、どこか懐かしさを感じる家庭的な味わい。一方で「ハムカツ」は、サクサクで旨味がありながら、揚げ物特有の重たさはなく、家庭では真似できない本格派の味を楽しめる。それでいて、どれも良心的な価格帯なのもありがたい。
店内の雰囲気、そして親しみ深いメニューの数々には、やはり「ホッピー」が似合う。クセのない焼酎がたっぷり注がれたグラスを手に、幼少期の思い出に浸るのもよさそうだ。
■臼屋食堂
住所:神奈川県横浜市港北区大倉山1-13-26 電話:045-531-2668 営業時間:16:00~22:00 定休日:日・月・祝