ここへきて、大物芸能人やスポーツ選手のYouTube進出が目立つようになってきた。
「もともと知名度の高い芸能人は、再生回数、チャンネル登録者数を稼ぐのに、圧倒的に有利で、最初は大きな話題になります。大勢のスタッフ、共演者らと作り上げるテレビ番組と違い、自分のやりたいことがたっぷりと展開できること、反響がダイレクトに返ってくることは、テレビの世界しか知らなかった芸能人にとっては非常に新鮮で楽しく感じると言います。また収入の面でも、経費削減で渋くなっているテレビよりも大きな可能性がある。今後も、大物の参戦が予想されます。一方で、個人のチャンネルという形態ですから本人の能力が試されるシビアなジャンルでもある。能力不足を露呈し、期待ほど数字が伸びず、苦しい運営を続けているタレントもチラホラ出てきましたね」(ITジャーナリスト)
例えば、闇営業問題で吉本興業と関係がこじれ、テレビでの活動が休止状態となっている、雨上がり決死隊の宮迫博之の「宮迫ですッ!」はどうか?
「1月末のチャンネル開設当初は、マイナス評価が殺到したものの、チャンネル登録者数はすでに60万人を超えています。後発の江頭2:50がすでに160万人を超えているのと比較されて“失敗”と叩かれやすくなっていますが、江頭が異常なだけで、普通に考えると十分に健闘しているのでは」(前出・ITジャーナリスト)
だが、宮迫が「YouTubeに向いているかいないか」で言うと、やはり向いてはいないだろう。
「どうしてもテレビの人気者、プロの芸人である自分というプライドが邪魔をしてしまい、YouTubeをやる上でのテンションのボリュームをどこに合わせていいのか、まだつかめていない。何をやっても芝居がかって見えて、本当に楽しんでいるように見えないため、イマイチ再生回数が伸びません。キングコングの梶原雄太が、カジサックというキャラクターを作ってYouTubeに進出し、プライドを捨ててYouTuberになりきって成功しているのとは対照的ですね」(前出・ITジャーナリスト)
あくまでもテレビ復帰までの“つなぎ”と考えているなら、今後の伸びはあまり期待できそうもないだろう。
(露口正義)