1月24日放送の「坂上&指原のつぶれない店SP」(TBS系)が波紋を呼んでいる。この日は「つぶれそうな店」を経営のプロが全力で建て直すという企画がオンエアされた。
「東京・板橋で約40年、地元に愛されてきた人情居酒屋の客足が激減。73歳の高齢の女店主は時代に対応しようと、タコのカルパッチョやミネストローネなど、自慢の腕をふるって様々な料理メニューを開発してきたのですが、それも増客に結びつかず四苦八苦。そこで番組に『牛角』や『温野菜』など次々とヒットに導いてきた外食チェーンの天才・西山知義氏が、そこを繁盛店にさせるという構図までは良かったのですが……」(芸能ライター)
西山氏は、女店主が作る手作り感満載、優しさのあふれ出た料理を食べたにもかかわらず、リニューアルさせる店のコンセプトを、彼女の了解や相談もなく、メンチカツ一本の店にすると言い出したのだ。それも「白いメンチカツ」という、素人の発想では行きにくいメニューを考案。女店主と娘さんは、西山社長の意見をただ黙って聞いている他なかった。
しかも新店舗のための工事費などはいっさい、番組は出すことなく、すべて女店主の自腹。残っている貯金20万円を全額はたき、さらには130万円で買って以来、ずっと大事にしてきた着物を査定してもらうことに。しかし、1万円の値さえつかずに落胆。それでも足しになればと泣く泣く売りに出した。そして社長のコンセプトに素直に従い、「白いメンツカツ」を作り出そうとするもこれも大苦戦。
これにはSNS上で〈なんかお母さんかわいそう、、たしかに赤字はきついけど、なんかなぁーこれでめちゃくちゃ繁盛しても、それは本当にお母さんの意向ではない気がして〉〈番組で資金持ったれよ見ててかわいそうやわ思い出の着物1万円とか〉〈あの視察をして、何で揚げ物やねん。お母さんおもちゃにされてかわいそう〉と、女店主への同情の声が。
そしていざオープンしようとした直前、緊急事態宣言が発令される。もちろん夜8時までの営業であれば特に問題ないのだが、これまで意のままにプロデュースしてきたように見えた西山社長は、初めて「お母さんの店だから」と、いきなり女店主にオープンをゆだねるという、“放置プレー”に。女店主は「周りの目の気持ちもあるから」ということで、延期を決断。解除後のオープンを誓っていた。
しかも番組での密着はここまで。司会の坂上忍は「オープンがいつになるかわからないですから、テレビパワーを使わずにどんなオープンになるか(見ていきたい)」と、開店したら放送するという終わり方でしめていた。
このどこか中途半端な感じが残るまとめかたにも異論が噴出している。
(魚住新司)