【「武雄記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人】
◎松浦悠士/○清水裕友/▲山田英明/△郡司浩平/佐藤慎太郎/小倉竜二/新井崇博/岩本俊介/山田庸平/野原雅也/吉田拓矢/宮本隼輔
レースが格下だったとしても、完全優勝した選手の勢いは軽視できない。「武雄記念」(4月22日【木】~25日【日】)は、2年ぶりに開催されるGIの最高峰「京王閣ダービー」(5月4日~)へのGIII最終戦となる。地元勢をはじめ、西日本のメンバーが手厚く、東日本勢は苦戦を強いられるシリーズになりそうだ。
松浦悠士が断然の主役を務める。展開不問のパフォーマンスにつけ入るスキはなく、昨年に続く連覇は濃厚。今年4度目の記念Vでダービーに弾みをつける。対抗は清水裕友。松浦との前後は2人の調子しだいも、番手なら松阪ウィナーズC勝ちの再現がある。あとは結束固い地元九州の山田英明と、岩本俊介の後位からチャンスをうかがう郡司浩平の番手まくりを押さえておきたい。
43歳のファイター荒井崇博は、ホームバンクのここを4度制し、今年もすでに2月FI佐世保を勝っている。08年のSS班を含め、1班在籍は20年を超える実力者。決勝戦で2、3着するようなら、今年の荒井は注目の1車になるのではないか。野原雅也が福井【1】【1】【1】の勢いをかって、GI決勝戦常連の胸を借りる。その潜在能力を認められながら低迷した時期を克服して、レースに幅が出てきた。たとえ単騎でも、簡単にはギブアップしない。
伏兵の1人目は山口敦也(佐賀・113期)だ。1月にS級入りして以降、初日はまだ連対がない。持ち味の機動力を発揮できずにいるからだが、3月大垣記念2日目のまくり2着のレース運びは巧みだった。気合いが入る初の地元記念。久々の快勝劇に期待する。松岡辰泰(熊本・117期)が、GIII戦に初めて参戦する。逸材がそろう117期。実戦デビュー後のベスト9による「大垣ルーキーチャンピオン」準優勝が光る。準決勝で敗退したここ2場所は度外視していい。初日は1着流しだ。GIIIを3度獲っている山岸佳太(茨城・107期)は来期7月、1班返り咲きが決まっている。その前に「京王閣ダービー」を走るように、並の2班選手ではない。予選を勝ち上がれば東勢の先頭で戦っているはずだ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。