季節が秋から冬へと近づくと、歌番組が活況を呈するのは季節の風物詩。マイクに集中できない事態とは?
ラジオ時代から通算すれば、実に75年も続く長寿番組が「NHKのど自慢」である。現在も全国の歌好きたちが出場に向けて張り切っているが、過度な思い入れが裏目に出たケースも。
「19年8月18日の放送で、80代の女性が挑戦し、鐘3つは鳴らなかったが、無事に出番を終えたんです。ところが、控えに座ってゲストの鳥羽一郎が歌い始めると、急に体がユラユラと動き始めました」(放送記者)
司会の小田切千アナがいち早く異変に気づき、駆け寄って介抱。番組の進行を続けながら女性をスタッフにバトンタッチし、そのまま病院へと搬送させた。小田切アナの冷静な判断と、それでも生放送を止めない機転に、視聴者から感動の声が寄せられたという。
記憶に新しいのは、昨年12月30日、第62回の「日本レコード大賞」(TBS系)でのこと。最優秀新人賞に吉幾三の弟子・真田ナオキの名前が告げられると、別の候補だった「豆柴の大群」のメンバーが卒倒するかのように倒れ込んだ。
真田自身も驚いてメンバーのほうを一瞥。歌の披露が終わると、司会の安住紳一郎アナが状況を説明した。
「ほかの番組の密着で、お芝居でそういう演出だったようです」
これには反発の声が多く、日刊スポーツ紙は「権威あるレコ大の歴史を汚す愚行。許されない行為」と、厳しい見解を出している。
そして、レコ大と並ぶ祭典といえば「NHK紅白歌合戦」だろう。17年12月31日の放送では、欅坂46が「不協和音」を2度披露。もともと難易度の高い曲で、司会の内村光良のリクエストがあったとはいえ、2度目はセンターの平手友梨奈の苦しそうな表情が続く。終了後に平手ら3人がバタバタと過呼吸で倒れる場面が映し出され、演出か事故かで論争に発展したものだ。
19年7月6日の「THE MUSIC DAY 2019~時代~」(日本テレビ系)には、SKE48が出演。曲は「マジスカロックンロール」だった。織田氏が信じられないという表情で言うには、須田亜香里が、下半身用肌着がチラっと見えした以上の「事故」ということで話題になったという。「ケンカ風の振り付けで、サビの最後で大きく足を上げハイキック」(織田氏)したそうだが、そこで、見せるための肌着だけが見えるはずが、「ファンがネット上にアップさせた拡大画像から何かがハミ出ていて…」(織田氏)。
織田氏によれば、ネットでは“丸っと見えじゃないか”という意味の声、「何か出てる」「見えすぎじゃね」の声が駆け巡ったという。
同じくAKB48も、近年のダンスが激しく、生放送は目を離せない、と織田氏。何でも、今年7月17日の「音楽の日」(TBS系)では、全員ミニ丈スカートの制服風衣装で新曲「根も葉もRumor」を歌いました。そしてセンターの岡田奈々は、完全に下腹部用の肌着がチラッと見えだったという。「執拗にチラ狙いをしたカメラアングルも確信犯的で、ファンの間でもア然、ボー然となりました」(織田氏)
昨年の紅白に久々に出演した玉置浩二の場合は、残念ながら事前収録だった。そうなったのは、生放送が危ぶまれる懸念が隠されていたからだ。
「10年12月4日の『FNS歌謡祭』(フジ系)に出演して、曲を提供したTOKIOの長瀬智也とジョイントの予定だったんです」(音楽ライター)
ところが玉置は体調不良を理由に、出演をドタキャン。取り残された長瀬は、歌いながら絶叫した。
「玉置さん! 玉置さん! まだ間に合います。このままじゃ終われない~」
悔しまぎれに「玉置のドタキャン」を満天下にアピールしてしまったのだ。