政治

宮崎謙介<巷の陳情>突撃調査隊「大災害に備えた通達が過酷すぎる」

 日本各地で地震が多発していますが、とんでもない大地震がそろそろ来るのではないかと気がかりです。最近、子供の学校で避難訓練があり、もしも起こった場合は過酷な生活を強いられると聞いて、驚いています。国は何か準備をしているのでしょうか。

 確かにこのところ地震が頻繁に発生していますし、そろそろ南海トラフ地震をはじめ、どこかが巨大地震に襲われるのでは、という説もまことしやかに流れています。天災の心配ごとは新型コロナだけではありません。今回の相談者さんの元には年の瀬が迫り来る中、子供が通う小学校から、次のようなアナウンスが届いたといいます。

〈避難所の現実は大変です。PTAの皆様、そしてお母様お父様方は心して対策に取り組んで下さい。まず災害時の避難所開設には、行政の職員は誰も来ませんので、全て自分たちで行います。ところが、誰が仕切るのかは決まっておりません。町内会にも避難所運営委員はいるのですが、70~80歳代の人ばかり。高齢だから動けないというわけではないのですが、過酷な中で、ご高齢者に仕切ってもらうわけにもいきません。運営委員とは名ばかりで、物資の場所や誘導などのレギュレーションは誰も知らないようです〉

 これはよくわかります。僕も議員時代、京都最大の河川のひとつである桂川が氾濫する災害を経験しました。その際、とある地域で指定された避難場所へと地域住民が避難したのですが、なんとそこが水没。集中豪雨によって前例のない浸水があり、実は行政はそこまで想定していなかったという有様。みんなアタフタしていました。

 こうしたケースでも明らかなように、日本は以前にも増して、災害大国と化しています。行政もだいぶわかってきているのか、地域ごとに避難訓練を行うことが増えましたし、国交省はマンホールのトイレ化整備も進めているようですが。

 一方で、公共施設等の整備はまだまだ十分と言うにはほど遠いのも現実です。避難所には多くても500人くらいを収容することしか想定していません。もしまた新型コロナが感染爆発してしまえば、より一層、収容人数が減るかもしれません。東京都ではひとつの小学校の家族だけでも1500~2000人はいるのに、半分も入らない。救援用の食料にしても、その人数の1日分だけしか、現実的には準備がない。追加の食料の到着は、災害3日目からというお粗末な想定なのです。

 まずできることは、災害について家族で対策を考えること。そして国は情報を与え、なおかつ公園等の地区公共施設や防災まちづくり拠点施設の足りない整備を早急にするべきなのです。

 内閣府ウェブサイトの防災情報ページは非常に読みにくいし、国交省や気象庁のサイトにしても、ごちゃごちゃしていてサッパリわからない。パッと読んですぐに理解できるページに、なぜできないんですかね。二之湯智防災担当相、ぜひ改善してください。

宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。

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