巨人・原辰徳監督の現役時代を振り返り、「人生最高の打席」を訊ねたところ、1992年7月5日に神宮球場で行われた「ヤクルト×巨人」戦のホームランだった──。
巨人の中軸として活躍した岡崎郁氏のYouTubeチャンネル〈アスリートアカデミア【岡崎郁 公式チャンネル】〉で4月29日付け〈【vol.7】伝説のバット投げホームラン 1992年神宮球場〉と題した投稿回に原監督が出演してのことだ。
その試合は、ヤクルトに2点リードされた9回表、3番の岡崎氏が四球を選び、次のバッター・4番の原氏が同点ホームラン。その瞬間、感極まってバットを天高く放り投げた原氏の形相は「鬼」にも見える。岡崎氏を避けて原氏と勝負…といった憶測も由縁して、後に「怒りのホームラン」と報道されたものだ。
しかし、原監督の思いは「怒り」ではなかった。岡崎氏が打席に入る直前、「原さん、オレ絶対(塁に)出るから。絶対にオレを返して下さい!」と耳打ちしたことから、「3番4番の約束として、それが非常に重かったし、逆にそれがボクの発奮材料になり…」と。原氏の本心は、その重責を果たせたことへの充実感だったようだ。
さらに原監督は「でもあの時にね、古田(敦也)と審判に(バットが)当たっちゃうかもしんないなと思った自分が、オレって優しいんだなって思った」と苦笑交じりに回顧。
30年の歳月を経て、あの伝説のホームランの真相が判明したのだった。
(所ひで/ユーチューブライター)