「たまたま私が行ってた歯医者さんの人に『やってみない?』って言われて。時給1500円くれるっていうからやってみようと思って、やり出したんだけど」
10代の頃の歯科助手アルバイト体験を語ったこの女性、名前を聞けば、ずいぶん意外に思うかもしれない。
2002年、19歳でモデルデビューし、パリコレクションにも出演。祖母はファッションデザイナー・森英恵氏、母も元ファッションモデルの森パメラ氏で、華麗なる一族の長女として知られている。
と、ここまで説明すれば、もうお分かりかと思う。モデルでタレントの森泉のことである。
世界の由緒正しき家柄のお嬢様だけが選ばれるパリ社交界の名簿にも名を連ねるなど、正真正銘のセレブタレントがなにゆえ、アルバイトを──!?
5月17日放送の「ポップUP!」(フジテレビ系)に出演した森が、自身のアルバイト体験を語ったところによると、
「歯科助手は1週間ぐらい。(他人の)口の中をずっと見てたら、飽きちゃった」
天然キャラ炸裂の顛末に、スタジオは笑いの渦に包まれたのである。
さらにコーヒーショップの他、同級生の友人に誘われたという「鳩サブレの梱包」については、
「お正月の忙しい時に、一緒にお手伝いして。3日間ぐらい」
およそ「お嬢様色」の強くないアルバイトの告白なのだが、これにはやはりオチがあった。
森曰く、
「(職場には)タクシーで行ってたから、給料がタクシー代になっちゃう」
セレブ家のお嬢様とはいうものの、学生時代はお小遣い制で、厳しく管理されていたことも明かしており、
「1年生で1000円、2年生で2000円とか、そんな感じ。お小遣い渡されて、何に使ったとか書かなきゃいけなかった。それがちゃんと合ってないと、次はくれない」
これまた、きちんとしたルールが定められていたのである。
給料をタクシー代で相殺、口の中を見るのに飽きて辞めるという「自由な世界観」と、お小遣いルールの「庶民的感覚」。そうしたキャラクターに対し、視聴者の好感度は高かったようで、
「美人、お金持ち、出自の良さ、ひねくれる要素が一切ない」
「こんなに美人でセレブなのに、嫌味がないのが不思議だ」
といった反応が目立つ。
一方では、微妙な意見も。それが、
「お嬢様の戯れ。バイトしなくても裕福に暮らせるんだろうなぁ」
「お金を稼ぎにアルバイトしてたんじゃなくて、経験値を稼ぎに行ってたんじゃないですか」
などなど…。
庶民派セレブにとってのアルバイトの意義は案外、そういうことだったのかもしれない。
(木村慎吾)