どこをどう間違えば4630万円もの大金をたった1人に一括振り込みできるのか。いまだ何の説明もされない山口県阿武町の摩訶不思議な事件は行政のミスから、逮捕者を出すまでの大騒動に発展した。
そして容疑者が供述した「ネットカジノで全額使った」際に仲介した決済代行会社から、阿武町の口座に突如、3590万円が返金される急展開を見せると、
「町長が5月24日に行った会見で、4299万円を法的に確保できたと報告した。誤振り込み額の9割にあたります」(社会部記者)
これでおおむね一件落着の様相を呈してきたようだが、この間、24歳の容疑者がとんでもないことをしでかした、という勢いの論調に、疑問を抱く人もいたのではなかろうか。
「国会議員による公金のムダ使いなど、4630万円の比でないことは明らかですよ」
こう話すのは、元国会議員秘書である。
「そもそも、ずっと問題になっている文書通信交通滞在費(議員1人あたり月額100万円支給)にしても、領収書いらず、使途を明らかにしなくていい、返金義務なしと、ウハウハです。当然、生活費などとして私的に使ったり、私設秘書の給与に充てたり、飲み代に回したりというのはザラにある。そんな議員の定数を減らすと約束したことも、いまだ実行されていない。大した仕事もせずに、世界最高水準2200万円もの歳費をせしめているムダな議員が多すぎますね。実質、3分の1でいいと思います」
月額65万円が支払われる立法事務費も、使途の報告義務はなし。
衆参合わせた議員定数は713人。いかに莫大な金額になるかがわかろう。
そんな国会議員のために開かれる国会の運営費は、1日あたり3億円の計算。アホらしいスキャンダルの追及、のらりくらりとごまかし答弁を繰り返す、疑惑から逃げる、役人が書いた作文を棒読みするだけ…いずれの場合でも、あっという間に3億円の税金が消えていくのである。
「議員会館に行くと、駐車場に国会議員のための公用車がいっぱい停まっていますね。あれも国民の税金が注ぎ込まれています。乗用車は220台以上、運転手も200人ほど。この特別待遇のための維持費は、年間8000万円以上に達します」(前出・元国会議員秘書)
思い起こせば「コロナに全く役に立たないアベノマスク1.3億枚配布」に260億円の経費をかけ、大量に余ったマスクを再配布するのに10億円、廃棄なら6000万円などと報じられた。血税を他人のサイフとしか感じていない使い方である。前出・元国会議員秘書は、
「そんなもの、順番に挙げていけば、まさにキリがない。公共事業や各種補助金、役所の経費にしてもそう。ドンブリ勘定がまかり通る、すさまじいムダ使いのオンパレードです」
7月には参院選を迎える。