韓国の慰安婦問題は根深く、「米軍慰安婦」の前には「韓国軍慰安婦」の存在があった。02年、韓国の金貴玉〈キム・キオック〉慶南大客員教授が初めて「韓国軍慰安婦」の存在を明かし、韓国陸軍本部が56年に編纂した公文書「後方戦史(人事篇)」の中に、“特殊慰安隊”と呼ばれた軍慰安所の記述を見つけた。金教授は韓国軍慰安婦の女性に聞き取り調査を行い、「軍隊と性暴力」の中でこう論じたのだ。
〈韓国軍「慰安婦」制度は軍による性奴隷制度であり、女性自身は性奴隷であったといえる〉
女性は韓国軍情報機関員に拉致され、慰安婦として働かされたという。日本の強制連行をでっち上げた韓国だが、自国女性を拉致、性奴隷として働かせていた、と指摘されたのだ。国際政治学者の藤井厳喜氏が解説する。
「韓国は国家政策として直接政府が慰安所を運営していました。その事実が日本に知られるとまずいので、『後方戦史』は閲覧不可能にしました。朝鮮戦争でもベトナム戦争でも、自国の女性にひどい扱いをしていたのは韓国のほうです」
53年に朝鮮戦争が休戦になると、翌年、慰安所は閉鎖される。代わって駐留米軍の基地周辺には「基地村」が作られ、政府公認の売春婦が集められた。米軍慰安婦として25年間を過ごした金蓮子〈キム・ヨンジャ〉氏は「基地村の女たち」(御茶の水書房)という手記で、性奴隷たちの悲惨な実態を明かしたのだった。
〈ホールで働く女たちは、みな政府が発行する検診証がないと営業できなかった。毎週1回ずつ、性病検査を依託された産婦人科に行って検診を受けた〉
彼女は、当時韓国で「淪落(売春)行為」が法律で禁止されていることを、知らなかったという。
〈数年後にその事実を知ってとても驚いたものだ。政府が禁止しておきながら、女たちに性病検診を受けさせ、性病のある女は“淪落”できないようにするというのは矛盾している〉
朴大統領の父親が“性のビジネス”を主導していた事実も裏付けられた。
〈朴正煕大統領が基地村浄化政策を発表したのが1971年12月22日、外貨獲得のために基地村を育成し、基地村女性たちを徹底して管理し始めた頃だった。クラブは観光協会に登録し、協会は店と女たちを管理した。(中略)韓国は基地村をもっと拡張し、女たちをより清潔に管理することで、観光産業の発展を図ろうという、とんでもない政策を推進していた〉
当時の韓国は貧しくて外貨が不足。韓国当局者は慰安婦たちに、
「もっと体を売りなさい。あなた方はドルを得る愛国者だ」
と称賛し、米軍に女性を献上していたのだ。