ジュテが元気だったのはそれから2、3日で、体調が激変していく。
10月23日にはあまり食べていないのに、体重が前日よりさらに80グラム増え、3.78キロになったが、2日後の25日には一気に220グラムも減って、3.56キロになってしまった。体重がジェットコースターのように上下している。
動物病院の先生から「一気に減ることがある」と言われていたが、そうなってきたのかな、と思わずにいられない。頑張れ、ジュテ!
23日、24日、25日ともご飯はそれなりに食べた。カリカリ、カツオやマグロの生。23日にはブリを焼いてあげたら、それも食べてしまった。様子をうかがいながら食べさせようと、こちらも必死である。
この頃のジュテはどうしたいのかわからず、所在ないことが増えた。寒いので、リビングに石油ストーブを出して部屋を温かくしたのだが、その前で気持ち良さそうにしていたかと思ったら、ウロウロ歩き回る。喉を鳴らし、尻尾を振って嬉しそうにしていても、よく見ると、目はトロンとして虚ろ。焦点が合っていないような気がしなくもない。鋭くてキッとしたジュテの目つき、輝きではない。
10月24日、床ではなく、ベッドの上に戻してしまった。一瞬、また爆食いムードになったので、食べ過ぎだった可能性もある。戻した後は1階のストーブの前に連れて行き、膝抱っこ。この時、左手を握ってみた。ジュテは大人しく握らせたまま、驚いたことに、握り返してきたのだ。正確には、小さな手を丸めて必死に握ろうとしている感じだった。猫は具合が悪いことを人に見せないが、やはり不安なのではないか。
動物病院には23日と25日に出かけ、背中から抗生剤などの補液を入れてもらった。もはや補液を入れてもらわなければ、常態を保つことはできない。
先生には「ジュテちゃんが辛いようなら、自宅でやる方がいいかも」と、また言われてしまった。
ゆっちゃんに「また自宅で補液を入れた方がいい」と勧められたと報告すると「本当にできるかな」と、まだ不安げだ。「自宅でできる」と言っていた友人のMさんにも電話してみた。
「動物病院の先生に自宅で補液を入れたら、と言われちゃった」
「私がそちらに行って教えようか」
「教えてもらえますか」
Mさんの好意に甘えようと思ったが、時間があるのは3、4日後という。それまで待てない気がする。この時期から、こちらにも余裕がなくなっていた。
10月26日。朝、起きてカリカリを少し食べたが、食欲は落ちている。そして、グフッ、グフッという嫌な咳をするようになった。
「そろそろ酸素室が必要かな」と言うと「業者に電話してみた方がいいんじゃない。すぐに持って来てくれるかわからないし」と、ゆっちゃん。
ジュテは膝抱っこも辛くなったのか、ストーブの前でちんまり小さく佇んでいる。前日からそれほど食が進んでいないせいか、便も細めの小さいのを2つ。
夜もまた、グフッという咳を2、3度。前につんのめるような態勢で、辛そうだ。
(峯田淳/コラムニスト)