まるで前日のアルゼンチンVSサウジアラビア戦の再現を見ているようだった。
前半にPKを決められ、0対1とリードされて迎えた後半。日本はW杯優勝4回を誇るドイツから立て続けにゴールを奪い、大逆転勝ちを収めた。1点ビハインドのサウジが後半に2点を奪い、優勝候補の一角を叩き落とすビッグサプライズを起こしたのと、まるで同じ展開だった。
開催国カタールの首都ドーハといえば93年の、あの「ドーハの悲劇」が日本人の心には残っている。それが今回は「ドーハの奇跡」へと180度変わったのである。
ワイドショーや情報番組、スポーツニュースなどでは現地からの中継に加え、日本に残るサポーターたちの、当日の熱狂ぶりを盛んに伝えていたが、レポートする側もまた、異常な大ハシャギぶり。
超強豪国を相手にした歴史的逆転勝ちに、カタール特派キャスターとして現地レポートする「めざまし8」)(フジテレビ系)のメインMC・谷原章介などは、日本代表ユニフォームを着て応援旗を手に、
「日本列島を大興奮に落とし入れてくれました!」
とメチャクチャな絶叫。喜びに沸くサッカーファンたちを落とし入れてどうするのか。
単なるサッカーファンが大ハシャギするような姿を見せるのではなく、きちんとプロの仕事をしてほしい。
絶望のドン底に落とし入れられたのはドイツ代表の方だが、アメリカのさる企業が試合の進行とともに逐一、勝利する確率をはじき出していたという。サッカー関係者が言う。
「前半終了時点で、日本が勝つ確率は3%という予測でした。アルゼンチンVSサウジアラビア戦で、前半終了後のサウジが勝利する確率は8.5%だった。それよりはるかに低い数字だったのです」
日本の大逆転が、いかにサプライズだったかがわかるデータである。
後半、5人の選手を入れ替え、それがことごとくハマッての歴史的勝利。戦前とはうってかわって、メディアがこぞって評する「森保マジック」は、1次リーグの残り2戦でも炸裂するか。