サッカーW杯カタール大会の日本代表初戦となった対ドイツ戦は、日本の歴史的な逆転勝ちにより歓喜に沸いたが、中継したNHKの視聴率は意外にも低かった。テレビ誌記者が説明する。
「11月23日、午後10時から開始された生中継で、世帯平均視聴率で最高となったのが、試合終了の瞬間で40.6%。しかし、全体を通した平均世帯視聴率は35.3%でした。これは02年・日韓大会2戦目のロシア戦(フジテレビ系)で記録した、日本代表戦における最高平均視聴率66.1%に遠く及ばず。ロシア大会での初戦(コロンビア戦=48.7%)にも届きません。『ドーハの奇跡』の一戦にしては、少々物足りない数字となりました」
ただ、今大会においてはテレビ朝日系ABEMAの配信でも無料生中継され、元日本代表の本田圭佑が解説を務めたことも話題に。同日はサービス史上最高となる視聴者1000万人を突破していることから、そちらに流れた可能性は十分にある。テレビ誌記者が続ける。
「ただ、1000万人というのはあくまで1日の総視聴者数(延べ人数)のカウントで、その全員が生中継の時間に同時接続していたわけではないため、そこまで影響はなかったと考えられます。それより根本的な理由は、まず森保ジャパンに対する期待が薄かったこと、加えて『死の組』に入ってしまったことで、ますます注目度が下がったことが挙げられますね。なにより、最終予選でも有料サービス『DAZN』での独占中継が多く、徐々にW杯熱を帯びる期間を失ってしまったことも大きい。いつの間にかW杯が始まっていた、という感覚の人も多く、初戦は視聴率が低めになったのでしょう」
NHKにとっては誤算だったかもしれないが、2戦目のコスタリカ戦(11月27日)をABEMAと地上波で中継するテレビ朝日としては、期待値MAXといったところだろう。