恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた木村花さんが自死した問題で、母親の響子さんが12月6日、番組を制作したフジテレビなどに対し、約1億4200万円の損害賠償を求めて提訴した。
響子さん側は訴状で「リアルであることを積極的に宣伝し、出演者が標的になりやすい構造をつくっていた」「出演者の心身の健康を損なわないようにする義務を怠った」と指摘。誹謗中傷を受けた花さんがリストカットするなど、うつ病の症状が出ていたにもかかわらず、フジテレビが放送を継続したことを厳しく追及している。
そんな中、同番組にスタジオキャストとして出演し、入居者の行動を分析していた南海キャンディーズ・山里亮太の責任問題が、再び掘り返されている。テレビ関係者が同情混じりに言う。
「山里は当時、VTRを見ながら毒の効いたコメントを吐く役回りを与えられていたことで、花さんが亡くなると誹謗中傷が殺到。精神的にかなり追い詰められていました。もっとも、響子さんは台本に沿って発言していた山里を恨んではおらず、山里も何度も響子さんから温かい声を掛けられたと明かしています。今回の提訴とは無関係ながら、山里を叩く声がいまだくすぶっている。今回の訴えで。再燃してしまったようです」
「放送倫理・番組向上機構(BPO)」はフジテレビに対し、放送倫理上の問題があったとする見解を公表している。にもかかわらず響子さんが提訴したということは、誠意を感じていないということに、ほかならない。またもやヤリ玉に挙げられた山里も、心穏やかではいられないだろう。
(ケン高田)