小池百合子東京都知事が3年連続で米経済誌「フォーブス」の「世界で最も影響力がある女性100人」に選ばれ、存在感を示している。
一方で、国内では今夏の参院選で「小池チルドレン」候補を自ら前面に出て支援したが落選となり、その影響力に陰りが見え始めたと、もっぱらだ。
そうした中、近い将来「ポスト小池」の座を奪うのではと脚光を浴びつつあるのが、再選挙のデッドヒートの末、東京・品川区の新区長に選ばれた森沢恭子氏だ。都議会議員が言う。
「森沢さんは前都議会議員で、しかも政界入りのきっかけは小池旋風が吹き荒れた17年、小池新党の都民ファーストの会から出馬した『小池チルドレン』。今回の品川区長選は都議二期目途中で辞職しての大チャレンジでした」
ではその森沢氏がなぜ、ポスト小池と注目されているのか。都議会議員が続けて力説する。
「世間一般の目線で考えた時に、おかしい、変だと疑問に思ったら、小池さん同様に即行動という『清水の舞台から飛び降りられる』度胸が、彼女にはある。都議会議員時代もそうでした」
というのも、森沢氏は小池新党から出馬したにもかかわらず、一期目半ばに「執行部の政策の決め方が不透明」と不満を募らせ、アッサリと離党している。そして二期目は無所属で都議選に挑み、議席を確保した。
政治アナリストは、森沢氏が将来、ポスト小池を狙える他の要素を次のように挙げた。
「彼女は都議以前、日本テレビで政治部記者を担当していましたが、小泉純一郎氏が総理時代に可愛がられ、国政の熱っぽい空気を吸っていた点は大きい。小泉氏と近い点でも、小池氏と重なり合うんです」
この指摘のように、森沢氏は慶応大学法学部で政治を学び、日本テレビに入社。外報部担当ののち、報道部で小泉氏の番記者として奮闘した。退社時は小泉氏から「春風接人(春風のように人に接しなさい)」の色紙を贈られ、政治家になってからもその言葉を噛みしめて、日々精進しているという。
今回、そんな森沢氏が44歳の若さで、首都東京の中でも激変する可能性を秘めた品川区長に就任した。その姿を見たベテラン代議士は、
「区長で実績を残し、その後は都知事選か国政に躍り出るのでは、とも囁かれている。つまり、いつの日か、師の小池さんを超える存在になる可能性を秘めているということ」
森沢氏は政界の台風の目になれるのか。今後の動向から目が離せない。
(田村建光)