豊洲移転問題の結論引き延ばしがアダとなり、小池百合子都知事(64)に逆風が吹き始めた。都議選での「圧勝」に暗雲が垂れこめる中、次なる一手が急浮上。小泉純一郎元総理(75)との「壊し屋」タッグを実現しようとしているのだ。
4月14日、「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」の顧問に就任し、会見を開いた小泉氏。記者から小池氏について質問されると、
「改革に対する情熱を持続し、邁進していただきたい」
とエールを送った。7月の都議選で小池氏が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」の支援は否定したが、“緊急参戦”はありうる、と言うのは都政担当記者である。
「これまで小池旋風の勢いに乗って、衆院補選や千代田区長選で大勝しました。それが豊洲問題では、『安全』だと小池氏も認めておきながら、移転を先送りにする姿勢に多くの有権者からも疑問の声が出ています。都議選で単独過半数を実現させるため、今後、総理時代に絶大な人気を誇った小泉氏に応援演説をお願いすることもあるでしょう」
小池氏にやられっぱなしの都議会自民党も反転攻勢に出ている。3月の都議会では、「移転の決断ができない知事」を印象づけるため、質疑では豊洲問題に時間を割き、決断を迫る質問を繰り返した。自民党と都連も協力態勢が進んでいる。
「二階俊博幹事長(78)は42選挙区ごとに担当の国会議員を割りふり、支援するように“号令”を出しました」(自民党関係者)
小池氏と融和路線だった上層部が、「対決姿勢」に切り替えたのには理由があった。
「今春極秘の世論調査をしたところ、苦しい戦いにはなるが、報じられているほど大敗にはならないというデータが出たのです」(前出・自民党関係者)
自民党の勢いにのまれたのか、小池氏は豊洲移転問題を都議選の「争点」にする方針から一転、
「旗印には考えていない」
と後退を明言した。都民ファーストの会の関係者もこう話す。
「70人規模の候補者の擁立を目指していますが、(小池塾の)受講者だけでは経験不足で知名度も低い。現段階では他党からの“移籍組”頼りになっています」
戦える候補者の選定が遅れ、「争点」もブレる中、師弟関係にある小泉氏の“援軍”は心強い味方だろう。
「第2次小泉政権で小池氏が初入閣した頃、独身の総理の体を気遣って、お弁当を作ったことがあるそうです。その時の恩義を返すため、頼まれれば小泉氏が都議選のサポート役を引き受けると見られています」(政治部記者)
「壊し屋」2人のタッグは早くも動きだす。4月18日夜、赤坂の日本料理屋で小泉氏と小池氏は、「敵対関係」になる二階氏らと会合を行ったのだ。
「小泉氏が呼びかけて実現しました。同じ時間帯には、同店で安倍晋三総理(62)も会合をしていたんです。“偶然”会ったと説明していますが、安倍総理と小泉氏、小池氏の3人だけで数分間、言葉を交わし、握手をして別れたそうです」(前出・政治部記者)
“密談”によって、はたして「対決姿勢」は有権者へのパフォーマンスと終わるのか。