芸能「聖地巡礼」が再び流行している。中でも今年、最も多くの人が訪れているのが「ぎふ信長まつり」に出演した木村拓哉が滞在中に訪れたという岐阜市の「ベトコンラーメン香楽」と、ドラマ「silent」の撮影で使われた小田急線世田谷代田駅だ。まさに多くの人でにぎわっているという。
しかしながら、ベトコンラーメンとは、ネーミングのセンスが…。食べると元気になる「ベストコンディション」の略でベトコンと名づけたそうだが、岐阜市の古くからの住人いわく、
「最初は本来の意味でのベトコンって言っていたような気がしますけどね。あんまりな名前だったので、ベストコンディションに変えたのではないでしょうか」
実は愛知県や岐阜県では、台湾ラーメンと並んで地元の名物となっているようで、キムタクがひと言、「ベトコンラーメンおいしい!」と言えば、悪いネーミングではない気分になるのが不思議だ。
一方の「silent」は、今年最大の盛り上がりを見せた連ドラだ。川口春奈演じる主人公が、耳が聞こえなくなったかつての恋人と世田谷代田駅で再会するシーンがあるのだが、駅のホームや駅前などで記念撮影をする人はあとを絶たない。世田谷代田駅を利用する地元住民も目を丸くして、
「なんの変哲もない、これまでほとんど注目されたことのない駅ですが、今年は世田谷代田駅と下北沢駅の間に、箱根から汲んできたお湯を利用した、高級な温泉旅館がオープンしたんです。私はわざわざ行きませんが…。けっこう高いし。でもドラマのおかげで、本当の意味でここの旅館が活用されるかもですね。全国各地から泊まりに来る観光客が増えそうで、よかったです」
「聖地巡礼ツアー」なるものも登場する昨今、日本を見直すいいきっかけになりそうだ。