とうとう平均視聴率9.9%にまで落ちてしまった。木村拓哉主演「未来への10カウント」(テレビ朝日 木曜よる9時~)のことだ。初回11.8%、第2話10.5%、と数字を下げ、28日放送の第3話でついに、1ケタ台にまで落ちてしまった。ちなみにキムタクドラマで1ケタ台になったのは、これが初めて。キムタクの神通力もここまでか!?とネットをざわつかせている。
ドラマは「度重なる不幸により生きる希望を失った元アマチュアボクサーが、母校である高校ボクシング部コーチに就任したことをきっかけに再生していく、青春スポーツ・エンターテインメント」。学園ドラマの様相を呈してはいるが、そこはキムタク主演ドラマ。生徒の誰よりもキムタクに光が当たるように作られている。脚本は「HERO」でもコンビを組んだ福田靖、キムタクとは相性がいい、はずだったのだが…。
第1話では、「いつ死んでもいい」と世捨て人ふうの桐沢(キムタク)が高校時代の恩師・芦屋(柄本明)からボクシング部のコーチを引き受けてくれと頼まれ、生徒を指導することに。ところが、彼らがなかなかのへっぴり腰で、鬼監督として長年指導してきた芦屋は何をやっていたのか、という話。キムタクをカッコよく見せるために、生徒たちを下げるというのはもってのほかだ。
現在48歳の桐沢。高校4冠で大学2年の時、試合中に網膜剥離になってボクシングを断念したということだが、20歳そこそこでボクシングを止めていた男が28年ものブランクを経て、高校の部活とはいえ、指導者としてやれるものなのか。
そういえば、ボクシング部を廃部にしたい校長(内田有紀)が「部活の指導は教員以外、行えない」という規定を見つけ、桐沢にぶつけると「いちおう持ってます。教員免許」などという場面もあった。網膜剥離でプロボクサーの道は断念したとしても、ちゃっかり教員免許を取得していたとは驚きだ。
第2話では、焼鳥店の店主だったこともわかった。これでは「HERO」で客の無理難題な注文にも「あるよ!」と答えていたバーのマスター(田中要次)だ。あの万能感に実は憧れていたとか…!?
キムタクをかばうわけではないが、この春スタートドラマは軒並み低視聴率。それは民放各局がネット同時配信を始めたことに起因している。テレビをつけなくても、ネットでドラマが見られる。キムタクファンはみんなネットで見ている(はず)。
(堀江南)