木村拓哉主演で、1月4・5日に放送された新春SPドラマ「教場」(フジテレビ系)が、前編が15.3%、後編が15.0%と、ともに高視聴率をマークした。昨秋のクールの主演連ドラ「グランメゾン東京」(TBS系)での最高視聴率は最終回で16.4%と大躍進したものの、全11話を通しての平均視聴率は10%~14%台だっただけに「教場」の数字は、「平成の視聴率男」復活の勢いを感じさせる結果だった。
「『教場』は一貫して硬派なドラマで、ネット上では《正月に家族で観るのには、少し重い内容ではないか》と不安視されていましたが、お笑いやバラエティ番組に飽きているタイミングで視聴者たちに、うまく刺さった。《キムタクはラブストーリーよりこういうドラマのが合ってるかも》といった声も見られました」(芸能ライター)
劇中では、木村演じる警察学校の教官・風間公親は、白髪で、義眼のため色眼鏡をかけている、という設定の容貌だったが、この木村の姿には〈新境地の開拓のための苦肉の策では?〉などの声もあがるなど、事前の評判は決して良いものばかりではなかった。
「しかも風間は、一見冷徹だが実は思慮深く、生徒たちの少しの変化や動向も見逃さず、決して心を乱さないという役どころで、これまでの木村の“俺様”的なオーバーアクションな演技をかなり抑え込む必要があったが、これを木村はうまくこなしていました。そのため、むしろ風間の生徒役たちの個性が個々に光るものになり、ドラマ全体にも鬼気迫るような迫力が出た印象です」(前出・芸能ライター)
生徒役では、大島優子、葵わかな、そして、好意を持っている風間を誘惑するほど容姿には自信を持っているという設定の菱沼羽津希を演じた川口春奈と、アイドル的な容姿の女性陣が顔をそろえ好演。
「しかし、大島らが引き立て役かと思うほど演技で彼女たちを“喰って”いたのが、最大限に喜怒哀楽を表現できていた、枝元佑奈役の富田望生ではないでしょうか。実家の都合で警察官の夢をあきらめる時の嗚咽、警察学校をひとりで去る際の止まらない大粒の涙。川口扮する菱沼に武術の訓練で見せた厳しい表情から一転、劇中ラストに見せた、実家の家業である旅館の女将として見せた落ち着き、さらに飛び切りの笑顔と着物姿には、そこはかとなく色香さえありました。少々ぽっちゃり体型で、容姿でファンを引き込むタイプではないが、きっと今後のドラマ界で頭角を現していくはずですよ」(前出・芸能ライター)
いずれにせよ、今後の木村は、TBS系とテレビ朝日系で隔年ごとに連ドラの主演が決まっているという話も伝わっている。しかし、フジ系で放送されたこの「教場」も連ドラ化するのでは?との見方も出るほど、大きなインパクトを視聴者に残せたことは間違いないようだ。
(島花鈴)