元サッカー日本女子代表の丸山桂里奈さんが2月23日、第1子となる女児を出産したと、自身のインスタグラムで発表した。19日に陣痛の兆候である「おしるし」があり、翌20日に破水。まる2日間にわたり「子宮が裂けたと思い、痛さに気絶」したほどの陣痛に苦しんだと明かにした。
当初は「ガキの使いやあらへんで」(日本テレビ系)を見て痛みを紛らわそうとしたものの、48時間以上続いた陣痛に「運ばれた時にはもうほぼ意識がないというか、体力も限界でした。記憶が飛びながら、出産は命懸けだよって言われましたが、本当に命がけでした」と振り返った。
2月24日には月曜レギュラー出演する情報番組「ラヴィット!」(TBS系)にVTRで登場。「噂によると(出産の痛みは)鼻からスイカって言われていますが、あれは鼻からスイカというか、鼻からサッカーボールという感じでした」と視聴者を笑わせた。
なでしこジャパンの難産は丸山さんだけではない。同じ2011年W杯優勝メンバーの岩清水梓さんも3年前、32時間に及ぶ難産を経験し、その際に恥骨を負傷している。
女性アスリートは健康なように見えて、妊娠出産でトラブルを抱えることが多い。過酷な練習で卵巣や子宮に負担をかけており、女性ホルモンバランスが崩れ、引退、結婚後に人知れず不妊もしくは妊娠しても赤ん坊が生育しない不育症に悩む選手も多い。
女子プロゴルファーの横峯さくらさんは、妊娠中に血糖値が上がる妊娠糖尿病に見舞われた。
1試合で10キロ以上も走るサッカー選手は当然、足から腰にかけての筋肉が鍛えられている。骨盤周りの筋肉が締まっており、一般女性に比べて股関節や骨盤が硬くなっているため、丸山さんのように子宮口は開いても骨盤が開かず、子供が降りてこないことがある。
一流のアスリートではなくても、体操や新体操から、駅伝、サッカー、ラグビー、マラソンまで、学生時代に生理が止まるほど過酷な練習をしていた女性は、注意が必要だ。日本代表選手をサポートするハイパフォーマンスセンターでは、女性アスリートの妊娠、出産への情報公開もしているので、参考になるのではないか。
(那須優子/医療ジャーナリスト)