若手中心の侍リリーフ陣はWBC公式球の扱いに四苦八苦。とりわけ眠れない夜を過ごしていたのは巨人の戸郷翔征(22)だ。2月12日の紅白戦では、2軍の中山礼都(20)にライトスタンドまで運ばれる手痛い一発を浴びた。
「昨秋の札幌ドームで開催されたオーストラリアとの強化試合では、4回7奪三振のパーフェクトピッチングでしたが、春の乾燥した屋外球場では滑るボールに苦戦しています。このままコンディションが上がらなければ、投手内の序列が下がってしまうのは必至。東京ラウンドのドーム球場で調子が上向いてきても、登板機会は限られてしまうでしょう」
そんな弟子の苦悩をよそに、今季より1軍から外れた桑田真澄ファーム総監督(54)は隠居さながらの春季キャンプを謳歌中だ。目下、宮崎市の「ひなたひむかスタジアム」と都城市の「高城運動公園」を巡回する日々を過ごしているが、
「ファンやマスコミの少ないのどかな環境で、若手選手を指導していますよ。第1クールなんて、同公園内でキャンプを張っていた、FC東京の長友佑都を見に来たファンがついでに寄るレベルでした」(球界関係者)
2月上旬に3軍キャンプ地を訪れた際には、妙齢のマダムに背中を叩かれながら、
「今日はMattはいないの?」
とヒヤかされて困惑する姿も見受けられた。そんな物腰柔らかい雰囲気とは裏腹に毒を吐くこともしばしばのようで、
「選手時代から『水と油』の関係だった大久保博元打撃チーフコーチ(56)の悪口が絶えません。周囲のコーチに『ベテランがアーリーワークをやる意味あるの?』という持論を吹聴しているんだとか。いつ1軍首脳陣と衝突してもおかしくないですよ」(球界関係者)
16日に巨人1軍メンバーは、侍合宿と入れ替わるように沖縄に移動。一触即発の事態はシーズンまでにどうなっていることやら。WBCを前にして球界の胸騒ぎが止まらないのである。