芸能

後藤真希 3年ぶり活動再開で育ての親が明かす「エース秘話」

20140724d

 AKB48や「モーニング娘。」を結成前から見守ってきたダンスプロデューサーの夏まゆみ氏。多くのエースを育ててきたカリスマ振付師が「エースの条件」を明かすとともに、約3年ぶりに芸能活動を再開した後藤真希(28)に熱いエールを送った。

 今年6月に「エースと呼ばれる人は何をしているのか」(サンマーク出版)を上梓したばかりの夏氏。初のビジネス書では、芸能人やアイドルだけでなく、ビジネスマンや学生、主婦にも当てはまる「エース」の条件が明かされている。夏氏が語る。

「エースの資格は、才能でもスキルでもなく自己を確立し、自信を持ち、前に向かって進むこと。これを満たしていて、輝いている方であれば誰でもエースです。会社でも学校でもエースになれます」

 過去、300組にも及ぶアーティストにダンスを教える一方で、長野冬季五輪の閉会式で数万人が踊るための振り付けを考案、指揮するなど、さまざまな場所でダンスの魅力を伝えてきた。同時に人材育成の分野でも、独自の教育手法を発揮。「エースと──」の中でも、AKB48で「絶対的エース」と呼ばれた前田敦子や、モー娘で「不動のエース」だった安倍なつみを例にあげ、“エースへの道”を明かしている。2人は決して歌や踊りに秀でていたわけではないという。例えば、「自己確立」を述べた章では、マエアツの姿がクローズアップされていた。

「1人の時間を作ることは、とても大切です。彼女はレッスンやリハーサルなどの休憩時間の多くを1人で過ごしてましたね。いろいろなことを確認していたんだと思います」

 決して協調性に欠けているわけではない。周囲に気を遣い、足並みをそろえることがチームワークではないという。

 そして、エースの資格の2つ目、「自信創出」について明かすところで登場するのが、デビュー直後の後藤だ。

「見えない努力は自信を生みます。第3期メンバーで覚えなければならないことが多かった彼女は、夜遅くまでのレッスン後、眠たくても自宅で練習をしていたんでしょうね。翌日9時に集合すると、ちゃんと踊れるようになってました。もちろん、口に出してアピールなんてしませんでしたよ」

 そんな後藤のことで夏氏が思い出すのは、目と耳のよさだった。

「後藤と安倍は、ダンスレッスンの時、私の後ろで振りの順番やステップなどの形を覚えると、前に回ってきて、『もう一度、見せてください』って言いながら、目線や呼吸のしかたを見てまねようとするんです。どうやったら格好いいか、いつも踊りのニュアンスを知りたがってましたね」

 モー娘の看板でもあった後藤と安倍。時には気まずい空気が流れたこともあった。07年、「モーニング娘。誕生10年記念隊」が結成された時のことだ。メンバー5人の中でツアー中に体調を崩すメンバーも多く、そのたびに振り付けもいくつかのバージョンが加わる。ツアーの最終日は最悪の雰囲気の中で開幕したが、夏氏の独特の指導がピンチを救った。

「ライブで一緒に踊るナンバーの時も、ステージで目を合わせない。正確には後藤が目で追っても、安倍が視線を持っていこうとしない。安倍にしてみれば、後藤のせいなのではないかという思いもあり、怒るのは当然な状況でしたが、そんな思いを持ち続けていたら気持ちよく踊れず、自分も輝けない。だからこそ、私は5人に『ムカついている人に感謝しなさい』と命じました。成長のきっかけをくれてありがとうって‥‥。恨んでもいいことはないし、損をするだけです。ひとりひとりが反省点は自分にもあると考えれば成長につながります」

 夏氏の「荒療治」を体験している後藤は、去る6月26日に、約3年のブランクを乗り越え、「テレ東音楽祭」(テレビ東京系)で、ゴージャスなゴールドのヘソ出し衣装で、「華麗なる復活」を遂げた。

「最近、『美とは何か』と聞かれ、私は『素、裸、ゼロ』と答えました。繕わず、隠さず、ありのままの自分をさらけ出す姿こそが美しいのではないかという思いからです。きっと後藤は、いくつかのつらい経験をしながらも、素のままで、夢に向かって突き進む強さを持ち続けているはず。期待が膨らむばかりです」

 年内にも発表されると言われる後藤の新曲が今から待ち遠しい。

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