テリー 初めは、いったい何がきっかけでお笑い芸人になろうと思ったの?
大久保 それが、芸人になろうとは思っていなかったんです。ビートたけしさんが大好きだったんですけど、お笑いっていう職業をリスペクトしすぎていて、まさか自分がなるなんて思っていなかった。ただ、大学で光浦(靖子)さんのお笑いサークルに誘われて。
テリー 光浦は高校からの友達なんだっけ。でも、大学はたしか別々でしょう。大久保は千葉大で。
大久保 光浦さんは外語大。
テリー どういういきさつで、お笑いサークルに?
大久保 私は大学でスカッシュサークルに入るんですよ。大学デビューして、楽しいキャンパスライフを送ろうと思って。ただ、若干「ブス」だったんですよね。新歓コンパに行ったら、大学生っていちばん残酷な時期で、かわいい子の周りに男がわぁっと群がった。
テリー 寄っていくのを、目撃しちゃいましたか。
大久保 はい。それで「何だよ、このサークル」って思っている時に、たぶん光浦さんも向こうの大学で同じ思いをしていたのか。
テリー ハハハ、いいね。
大久保 「大久保さん、早稲田にお笑いサークルがあるから、そこに一緒に行かない?」と言われて行くようになりましたね。ネタを作って発表会をして、卒業公演もし、記念に人力舎のネタ見せライブに行ったら、人力舎に入れてくれて、そこからもうトントン拍子ですよね。
テリー 最初のサークルで自分は日陰だったわけじゃない。お笑いのサークルではどうだったの?
大久保 男女関係や恋愛に関しては、私たちレベルの女の子と同じくらいオタクな、ダッサい男子がいたんですよ。だから、そこで「あの人いいよね」っていう恋愛は何となくできるんです。はたから見たら中の下の下ぐらいなんですけど。
テリー ハハハ。
大久保 だから成立はするんですよ。それなりに楽しめました。
テリー ということは恋をしていたんだ。
大久保 してましたね。ろくでもない男でしたけど。
テリー 高校時代にもそういう男女関係はあったの。
大久保 いやいや、高校3年間は男子と口をきいてなかったので、大学に入ってからです。
テリー 大学でつきあったのが初めての男性だ。
大久保 そうですね。つきあってる、と言っていいかわかんないんですけど。
テリー どういうおつきあいだったの?
大久保 彼はたしか、有楽町線の要町(かなめちょう)に住んでいて。
テリー ああ、知ってる。要町は「西部警察」のロケが多かったんですよ。水商売の女の子もたくさん住んでいて、町にけっこう「哀愁」がある雰囲気だよな。
大久保 まさに哀愁ですね。共同玄関のきったないアパートで、開けたら1号、2号、3号みたいな部屋番号が付いていて。電話で「ビールを買ってきてよ」って言われて、ビールを買って持っていったら、もうすでにその男の子と、知っている女の先輩が飲んでいたりして、1時間ぐらい一緒に飲んだら「お前、そろそろ終電じゃない」って言われて、帰されて。
テリー ええっ、抱いてくれないの?
大久保 のちのち抱いてくれました、3~4回。
テリー でも「早く帰れ」って、おかしいじゃない、自分の彼女なのに。
大久保 だから、彼女じゃなかったんじゃないですかね。でも、私は楽しいんですよ。「夜、部屋に呼び出してくれるなんて」と、恋愛が始まっていると思っていたので。
テリー まあ抱いてくれたならいいか。
大久保 そうですよ(笑)。