5月20日、フジテレビ系で生放送された「THE SECOND~漫才トーナメント~」の「グランプリファイナル」。結成16年以上の漫才師を対象にした同大会には「M-1グランプリ」の出場資格を失った実力派芸人らが参加。第1回大会として今年2月から東京と大阪で予選を実施し、最終決戦では8組によるトーナメントが行われた。
この大会で頂点に立ち、優勝賞金1000万円を獲得したのは、結成19年のギャロップだ。優勝の瞬間、ボケの林健は「くすぶってるみんな! 夢めっちゃあるよ!」と絶叫。大盛り上がりの中、幕を閉じたのだった。
この最終決戦で、テレビにあるまじき「ぶっ込んだネタ」を持ってきたのが、トップバッターの金属バットだった。テレビ関係者が振り返る。
「彼らは『ことわざの意味』を取り違えるネタを披露したのですが、ここで『反ワクチン陰謀論』を揶揄するくだりがあったのです。生放送でなければ、絶対に地上波で流せない内容ですよ。結果、番組内でもとりわけインパクト抜群のシーンとなりました」
危険なことについつい首を突っ込んでしまう『飛んで火に入る夏の虫』の例として『ああ、ワクチンね』とボケて『思想つよ!』とツッコミを入れるネタだ。さらに「なんやねん、マイクロチップ入ってるみたいなウワサあるけど」とワクチンデマに言及したのだ。
このネタに、さぞ反ワクチン派は怒っていると思いきや、
「局に抗議の電話がきたとの話は聞いていません。それどころか反ワクチン派の人たちが『ワクチンに警鐘を鳴らすネタ』と真逆に受け取って、SNS上で金属バットを絶賛する投稿が『陰謀論アカウント』を中心に拡散されているんです。まさかの反応ですよ」(前出・テレビ関係者)
優勝は逃したが、別の意味で爪痕を残した金属バットであった。
(山倉卓)