5月24日、ホンダは26年からF1世界選手権に復帰すると発表した。アストンマーティン・アラムコ・コグニサント・フォーミュラ・ワン・チームにパワーユニットを供給する。
まだ先のこととはいえ、気になるのがドライバーだ。現在、アストンマーティンのドライバーは、ワールドチャンピオンを2度獲得したフェルナンド・アロンソと、チームの会長を務めるローレンス・ストロールの息子であるランス・ストロール。
アロンソが26年以降もシートに座り続ければ、なにかと問題が起きそうだ。なにしろ、ホンダとアロンソは犬猿の仲なのである。
因縁の発端は15年、ホンダがマクラーレンと組んで、F1に復帰した時までさかのぼる。
「ホンダは華々しく復帰したものの、エンジンとモーターを組み合わせた『パワーユニット』の開発に手こずり、チームは低迷しました。するとマクラーレンとアロンソはその原因をホンダに押し付け、公然と非難したんです。アロンソは15年の日本グランプリでレース中、無線で『GP2(当時1つ下のカテゴリー)のエンジンだ』と文句を言いました。よりによってホンダのお膝元で、日本人のファンが集まる鈴鹿で言う必要はないだろうと、ホンダの関係者は怒ったそうです」(モータージャーナリスト)
アロンソのホンダ批判はこれで終わらない。マクラーレンがホンダからルノーにパワーユニットをチェンジした18年、開幕戦で5位入賞すると、アロンソは無線で「We can fight!(俺たちは戦える)」と絶叫。ホンダ時代は戦うことすらできなかったと、遠回しに批判したのである。
だが、ホンダもやられっぱなしではない。
「アロンソは世界三大レース制覇を目指して、17年にアメリカの『インディ500』にスポット参戦しました。フル参戦も目指していたのですが、実現しなかった。インディカーはホンダとシボレーがエンジンを供給しているのですが、ホンダエンジンを使うチームがアロンソを起用しなかったと言われています。ホンダがアロンソを拒否したという噂もありました」(前出・モータージャーナリスト)
冷え切った関係は今もそのままだが、復帰を発表した席でホンダは「ドライバーの決定権はチームにある」と明らかにした。ホンダとフェルナンド・アロンソが再び手を組む可能性もある。F1ファンはそれを見たいのか、それとも見たくないのか。26年のシーズン開幕が待ち遠しい。