お笑い界に波紋を広げているオリエンタルラジオ・中田敦彦の、松本人志(ダウンタウン)への提言問題。「M-1グランプリ」「キングオブコント」など数々の賞レースで審査を担う松本に対し「松本色が濃すぎて、ちょっとお腹いっぱい」との批判を展開したのだが、このYouTube動画、配信するや、間もなくコッソリと削除された箇所があったのをご存知だろうか。
当初の配信を見た元放送作家の長谷川良品氏が自身のTwitterで、これに言及しているのだ。
〈そもそも物申す人間が誰一人いないのはやはり不健全だ。ただラストで論理破綻。ひっくり返った。あれはオチなのだろうか。いやマジだった。中田で笑った事がないという人がいるが「俺で笑う為には知性が必要」とドストエフスキーまで持ち出し「分かる人には分かる」とサジェスチョン。いやこれこそ笑いに文学性や偏差値を持ち出した松本人志的な笑いの系譜。笑いの権威化を否定しながら最後は権威的な物言いをしてしまった。いわば松本人志になりたかったんだろう。よっぽど認められたかったんだろうなきっと〉
ところが現在配信されている中田のYouTubeチャンネルには、このドストエフスキーのくだりが見当たらない。長谷川氏は5月31日に自身のYouTubeチャンネル〈長谷川良品「テレビ悲報ch」〉で、この点に踏み込んでいる。
「正直、このカットについては悪手だと感じます。カットした部分を復活しろとまでは言いませんが、カットに至る経緯に言及された方がいいのではと感じます。『実はあのシーン、ブレーンと話し合った結果、辻褄が合わないので消しちゃいました。お恥ずかしい限りです』というようなカッコ悪い言い訳を見てみたいです」
長谷川氏も中田で笑ったことがないというクチだが、「あちこちオードリー」(テレビ東京系)に出演した中田で初めて笑ったそうで、
「自分のカッコ悪さを嫉妬や見栄もひっくるめ、吐露されていたからなんです」
と、その理由を説明している。
松本もかつての著書「遺書」に、自身の笑いが分かるには知性とセンスが必要だと記していたが、実のところ中田は松本になりたかったのかもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)