今年3月、団体の看板ベルトである第12代プリンセス・オブ・プリンセス王者となった「東京女子プロレス」の瑞希(28)。愛らしいルックスとは正反対のキレキレのファイトスタイルでファンも急増中だ。
2012年にデビュー、一度もプロレスを見たことがないまま、入門テストを受けて合格。最初はそのギャップに大いに戸惑った。
「『キラキラ衣装を着られて、アイドルみたいになれるよ』と、プロレスを見たことがない状態で始めたので、受け身の練習をしていても何のためなのか、その時はわからなかったけど、必死に練習してデビューを迎えることができました」
東京女子のリングには17年から登場。その前にいくつかの団体に参戦し、さくらえみ(46)から、プロレスの楽しさを教えてもらい、「プロレス、絶対に辞めたくない」という気持ちになれたという。
「でも、まだ遠慮があって。才木玲佳さん(31)の持つプリンセス王座に初挑戦した時(2017年9月30日)、ベルトに対しての執着が薄くて、『どうしても勝つんだ』という気持ちが足りなかった。でも、挑戦を重ねるごとにどんどん強くなっていき、より強くなったのはユカッチ(坂崎ユカ)の持つプリンセス王座に挑戦して負けた瞬間から。『この人に絶対に追いつきたいし、大好きな東京女子プロレスのベルトを獲りたい』って、貪欲になりました」
その向上心が、SNSでも話題持ちきりになった新技「渦飴(うずあめ)」を誕生させた。変型のクロスボディアタックで、相手に全身を浴びせた瞬間に1回転するウルトラC級の大技だ。
「自分の体重が軽いことも自分らしさだと思うので、いつもそれを意識して技を考えて動いて練習を重ねて改善して……を繰り返していました。心が折れそうになったりもしたんですけど、その時は『鬼滅の刃』を見ながらで、諦めない気持ちとか心にギュッとくるものを感じて諦めずに頑張れました。ぜひ渦飴を動画で見てください」
今月、パートナーの坂崎が、首の負傷のため長期欠場を発表。ユニット「マジカルシュガーラビッツ」として保持していたプリンセスタッグ王座の返上を余儀なくされたが、
「ユカッチが、元気になるまで、いつまでも待ちます。私は今までケガで欠場したことがないので、このまま元気にいれたらなと。よく『なぜケガしないの?』と聞かれますが、動けるうちは頑張っちゃいますね! 学生時代、ソフトテニス部で筋トレしたこともほとんどなく、強いて挙げれば、親に感謝ですね。でもデビューした頃は、次の日、首が上がらない、ごはんが飲み込めない、頭痛がするってことが普通にあって。それを親に言えなかったから、妹に『もし明日、私から連絡がなかったら、救急車を呼んで』って。今思うと大げさでしたね!」
7月8日大田区総合体育館「SUMMER SUN PRINCESS ’23」では、王者として新時代のカリスマと呼ばれる伊藤麻希(27)の挑戦を受ける。
「いちばん苦手なタイプです。でも、負ける気はしません。東京女子プロレスは、個性豊かなレスラーが揃っており、個々に物語があるので、ぜひ見に来てほしい。その空間に触れた方が、明日頑張れるように、『東京女子プロレス、大好きだな』と思ってもらえるように、頑張り続けますから」