「絶対に許さねぇッ!」
怒りに満ちた表情で、厳しい言葉を口にする梅沢富美男。怒りの矛先は、母親の自死を幇助したとして逮捕された歌舞伎役者・市川猿之助容疑者に向けられたものだった。
これは7月3日の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演した際のひと幕だが、
「ハラスメントだって話から始まって、親と一緒に自死したって話に…。捕まってみりゃ、次から次に色んなものが出てるけどね、憶測では言いたくねぇんだよ、俺は猿之助が大好きだから、役者として。同じ舞台の役者としてひと言だけ言いたいんだよ。先輩だから言わしてくれよ」
と熱弁をふるう梅沢は、さらにズバッとホンネをブチまけた。
「アイツはとんでもねぇことしたんだ。舞台に穴空けた。やっちゃいけねぇことだよ、舞台の役者はね。演出家や評論家の言うことは聞く必要がない、客が決めてくれるから」
役者は命を懸けて出演しており、その根底には客がいる、と持論を展開したのだ。
「ひとりでもふたりでも猿之助を見たいっていうお客さんがいたんだったら、なぜ穴を空けた。やっちゃいけないことだと思う」
演劇ライターが言う。
「若い頃から苦労して舞台をやってきた梅沢さんだからこその、役者は舞台でお客に演技を見せてナンボで、見たいと思う客がいる限りは舞台に立たなければならない、という実感が伝わる言葉でしたね。スキャンダル報道が出ることで、猿之助さんや家族がどんな思いになったかは本人たちにしかわかりませんが、それでも役者なら穴を空けてはいけないということです」
梅沢の言葉はさらに「究極の姿勢」へと突き進んでいく。
「パワハラがどうのこうのっていうんなら、なんで釈明しない? 嘘なら嘘、本当なら本当と、生き恥を晒してなんで出てこない? 人間は皆、生き恥をさらして生きてるんだよ」
最後に梅沢は再び言う。
「だから俺は、猿之助が舞台に穴を空けたってことだけは、絶対に許さない」
先の演劇ライターは、梅沢の怒りを次のように評価した。
「厳しい言葉を発した梅沢さんですが、そこには舞台役者としての矜恃、責任感があふれており、猿之助さんに対する深い思いも感じました」
はたして猿之助容疑者は、梅沢の言葉をどう受け止めるのか。じっくりと自分を見つめ直してもらいたいものだ。
(石見剣)