マイナンバーカードを巡るトラブルが、あとを絶たない。
政府はマイナカードに紐づけられる29項目の個人情報について、間違って紐づけられていないかを今年の秋までに総点検するとしているが、そもそも一連の大トラブルが引き起こされた原因はどこにあるのか。
「全ての責任は、河野太郎デジタル相にある。河野大臣こそ、最大のA級戦犯と言っていい」
さる厚労省幹部はこう指摘した上で、河野氏が「突破力」とやらをエラソーに振りかざしてマイナカードの導入を急がせたことを、次のように断罪するのだった。
「例えば、マイナカードと健康保険証の紐づけ。昨年8月、河野さんがデシタル相に就任した直後から、厚労省をはじめとする関係省庁の幹部らは『準備が整っていない』と進言してきた。しかし、河野さんは全く聞く耳を持たないばかりか、来年秋に健康保険証を廃止すると宣言してしまった。その結果がこのザマです。どんなに現場が頑張っても、物理的にムリなものはムリ。河野さんはこんな簡単な理屈さえ、理解できないのです」
そして怒りに震えるこの厚労省幹部は、次のように吐き捨てたのだ。
「命じるだけならバカでもできる。厚労省内で『最も上司にしたくない政治家』のアンケートを取れば、河野さんがブッちぎりの1位になるのは間違いないでしょう」
そんな中、河野氏は7月2日放送の「日曜討論」(NHK)で「マイナンバーカードという名前をやめた方がいいと、個人的には思っている」と勝手に放言。これには自民党内からも「死ななきゃ治らない」の声が上がった。自民党執行部のベテラン議員が言う。
「河野は『個人的には』と断っているが、閣僚が公の場で発言を行う以上、そこには一定の裏づけが必要になる。だが、松野(博一)官房長官が即座に否定したように、政府が名称変更を検討している事実は一切ない。しかも、名称を変更する目的そのものが意味不明だ。トラブルまみれでイメージが悪くなったから、名称を変えてリセットしたいというのか。要するに、またぞろ『言ってみるだけ』『目立ちたいだけ』の悪いクセが出たということじゃないか。これで総理・総裁の座はさらに遠のいただろう」
「最も上司にしたくない男」は「最も総理にしたくない男」でもあるらしい。