神奈川県茅ヶ崎市の木村竹彦副市長(63)が、10月25日早朝、出張先のハワイで不可解な“溺死”を遂げた。海岸での事故死と市側は説明するが、周辺ではキナ臭い疑惑までが取りざたされていたのだ。
姉妹都市協定締結式で、10月21日からハワイ州ホノルル市を訪れていた木村副市長。現職副市長の突然の溺死について、行動を共にしていた服部信明茅ヶ崎市長は、記者会見で以下のように説明した。
「(10月25日の)早朝6時30分に滞在していたホテルロビーに市の職員6人が集合して、徒歩でビーチに向かった。サーフボードをレンタルした彼は海に入ってパドリングをしていたが、砂浜にいた他の市職員が異変に気づき、ライフガードが救助に向かった」
木村副市長が引き揚げられたのは7時30分頃。すぐに救急車で近くの病院に搬送されたが、8時20分に死亡が確認された。
「木村副市長は、事故発生前日の夜、ホノルル市役所で行われた締結式に出席したあと、パーティにも参加。ホテルに戻ったあとも売店で缶ビールを購入するなどかなり酒を飲んでいた。とはいえ、“宴会部長”と言われていた木村副市長は市役所きっての酒豪。特に変わった様子はありませんでした」(茅ヶ崎市役所関係者)
しかし、そのわずか数時間後に木村副市長は滞在していたホテル近くの海岸で怪死を遂げる‥‥。
「事故現場とされるワイキキ湾に面したビーチは、夏の時期は2メートル以上の波の高さになることもあるが、この時期は波が立っても数十センチ程度。しかも事故発生当日の25日早朝の海はないでいた。溺死するのはあまりにも不可解です」(ホノルル在住の日本人サーファー)
木村副市長の知人もこう話す。
「彼とは長いつきあいだが心臓疾患などの持病の話は聞いたことがない」
今回の姉妹都市協定締結式には、服部市長、木村副市長ら6人が参加しているが、この他にも茅ヶ崎商工会議所の関係者二十数人が帯同していた。
「事故が発生した25日の夕方の便で帰国することになっていたが、木村副市長の死亡が確認されたため、服部市長らは帰国を遅らせることになった。そこで市の職員から、『在ホノルル日本国総領事に誘われて、木村副市長は服部市長と3人でビーチに出かけ、事故死した』と説明を受けた。つまり、事故発生直後の市職員による説明と市長の説明が食い違っているんです。今後、こうした矛盾点について複数の茅ヶ崎市議が服部市長を追及していく構えです」(茅ヶ崎商工会議所関係者)
現在、ホノルル市の警察当局は司法解剖を進めるなど死因の究明を急いでいるが、日系人向け地元紙記者が溺死以外の可能性も示唆する。
「実は、現地ではビーチ近くのカラカウア・アベニューで木村副市長が心肺停止の状態で倒れていたところを発見されたという報道もあるんです。現場は売春婦やドラッグの売人が大勢集まることでも有名な場所で、事件の可能性も指摘されている」
今回の姉妹都市協定締結に向けて昨年12月から計7回にわたってホノルルを訪れるなど、服部市長の右腕として働いていた木村副市長だが、不正入札の疑惑も投げかけられていた。
「市内のスポーツ公園の整備事業の入札を巡る疑惑です。この入札には大手スポーツメーカーなどが参加していたのですが、落札したのは地元のゼネコン会社。以前からもたびたび茅ヶ崎市とこの会社の癒着が指摘されており、今回の入札においても不明瞭なところが多かった。木村副市長がその中心にいたとされるんです」(茅ヶ崎市議関係者)
不慮の死を遂げた木村副市長の検死結果には2週間~4週間を要するというが、はたして死の真相は明らかになるのだろうか。