人口の高齢化と、生活習慣の変化によって糖尿病が激増している。死につながる重篤な病気を呼び込むやっかいな病気だが、自力で克服する方法を公開する!
糖尿病とは血糖値が病的に高い状態を指す病名である。本来、血液の中の糖(ブドウ糖)は、膵臓から分泌されるインシュリンという物質がコントロールする。横浜悠愛クリニックの内科医で医学博士の志賀貢氏が解説する。
「糖尿病はI型とII型に分かれています。I型は体質が原因、II型は食生活、運動不足などの生活習慣によって起こります」
I型の場合はインシュリンを注射しなければならず、またII型の場合も、医者や薬とつきあい続けなければならないだけに、患者の誰もが、できることなら通院しないで自力で克服したいと思っていることだろう。“自分はまだ大丈夫”と安心している人も、こんな“症状”があれば要注意だ。エミリオ森口クリニックの板倉弘重理事長が言う。
「50代は糖尿病になりやすい世代です。糖尿病患者の多くは、太っておなかが出てきたなどの自覚症状がある。他には、突然、無性に甘いものをたくさん食べたくなったりします」
食後の気持ち悪さも自覚症状の一つで、食後すぐにおなかがすいたりフラフラしてしまうのは危険水域。しかも、糖尿病を放置した場合、恐ろしい結果が待っている。
「動脈硬化が進行し、血管に障害が起きて血行障害になります。手足が腐ったり、目に血液が流れなくなって網膜症になって失明することも。狭心症や心筋梗塞など心臓疾患の危険性も高くなり、頭の血管も同じように詰まるので脳梗塞のリスクも格段に上がります」(志賀氏)
死につながる病の入り口となる糖尿病。今回の自力克服法は「II型」の人向けだ。島原病院肥満・糖尿病センター長で医学博士である吉田俊秀氏が語る。
「太った人でII型の糖尿病は治せる可能性があります。肥満歴が10年ぐらいまでで、糖尿病と診断されてから2年以内の人なら、現在の体重から3~5%ぐらい痩せると、糖尿病はほとんど薬がいらなくなります」
この「3~5%」はそれほど難しい目標ではない。体重100キロの人は3~5キロ、80キロの人なら2.5~4キロだ。そのために推奨しているのが、キャベツや加熱した根菜を利用した食生活の改善である。
「キャベツや根菜で糖尿病が治るということではありません。痩せるために最も手っとり早いということです。御飯を食べる前に10分間、野菜を摂る時間を取ってほしいのです」(吉田氏)