元ラグビーW杯代表選手の五郎丸歩が10月11日、SNS「X」を更新。「日本人キッカーでないと務まらない」という自身の発言を「釈明」した。
五郎丸は9日、松田力也選手のファンに向けたメッセージ動画を引用し、「日本のラグビー界は日本人キッカーでないと務まらない!」とした賞賛を投稿。これが外国人選手への露骨な「差別」ではないかと物議を醸していた。
炎上したことで五郎丸は11日に長文を投稿。これまで外国籍の選手のおかげで勝ったと感じるファンがいるとした上で、日本人の自分が結果を出さなくてはいけないという強い意志を持ってW杯を戦ったとした。
五郎丸の主張には一部のファンから賛同の声が上がったものの、多くは納得がいかなかったようで異論が続々と寄せられているのだ。
スポーツライターが語る。
「ラグビーでは『日本代表=日本国籍を有する選手』ではありません。日本で生まれた者や両親、または祖父母のうち1人が日本で生まれていれば、代表の資格を得られます。『多様性』を口にしている五郎丸ですが、そんな大前提がありながら、なぜ今さら『100%日本人』を強調する必要があるのか。日本人としての矜持がかえって波紋を生んでしまいました」
今回のW杯ラグビーでは、日本代表選手33人のうち16人が外国出身の選手だった。なぜ日本代表に外国人選手が多いのか疑問に思った人は確かに少なくないようだが、前回のW杯の日本代表の活躍から競技の成り立ちを知る人も増え、徐々に理解が深まっているのではないか。少々難解な長文で五郎丸が日本人としての誇りを強く持っていることは分かったものの、そうした理解に水を差すような誤解を生まないことを願いたい。
(ケン高田)