もうすぐハロウィンがやってくる。東京都渋谷区では駅前に「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と書かれた看板を掲示し、ハロウィン期間に向けて警告を発している。長谷部健区長が「ハロウィン目的で渋谷に来ないでほしい」と異例の呼びかけを行うほどだが、それでも6万人が集まるのでは、との懸念があるという。10月27日から11月1日には区の条例に基づき、夕方から深夜にかけて、所定のエリアは公共の場での飲酒が禁止となるのだが…。
毎年、このハロウィン期間、渋谷には数えきれないほどの人が集まり、トラブルが多々発生している。その一方で、街総出でコスプレフェスを開催するのが池袋だ。「池袋ハロウィンコスプレフェス」では毎年、アニメやゲームのキャラクターなどのコスプレをした人たちが多く集まる(今年は11月28日、29日に開催)。このフェスに今年も参加するという女性が言うには、
「池袋は元々、乙女ロードがあるオタクの聖地。『ハロウィンコスプレフェス』に集まるのは本当にアニメが好きなガチ勢しかいないので、コスプレのクオリティーが高いんです。なので、渋谷のハロウィンを見ても『中途半端なコスプレしかできない人が目立ちたがるために行く場所』としか思いません」
なにやら胸を張っている感すらあるが、渋谷では毎年、ハロウィンの翌日は多くのゴミが散乱し、多くのボランティアや若者が清掃活動を行っている。一方、池ハロでは参加者らが会場周辺のゴミ拾いを行い、「コスプレからまちをキレイにする」プロジェクトを実施。先の女性もゴミ拾いに参加するつもりだとして、次のように語るのだ。
「昨年、一昨年は 『東京リベンジャーズ』のコスプレをした人が渋谷に多く集まっていましたね。今年は『呪術廻戦』のコスプレが多くなると思います。どちらも作中で渋谷を舞台にしたシーンが出てきます。私は漫画も買ってアニメも見ていますが、好きだからこそ渋谷には行きません。集まるだけで迷惑行為になってしまうので、作品のイメージを損なうことをしたくないんですよね」
「ホンモノのオタク」だからこそ、ルールを守った上でハロウィンを楽しみたい、との矜持がはっきりと見えるのである。
(京野歩夢)