サッカー元日本代表の服部年宏氏がアトランタ五輪の盟友・前園真聖氏のYouTubeチャンネルに出演し、ベストイレブンを発表した。
一緒にプレーした選手の中から選ぶという基準で11人をチョイス。服部氏は1996年に初代表に選ばれると、2003年までの8年にわたって日の丸をつけていただけに、幅広い世代の選手が名前を連ねた。
フォーメーションは4-4-2。まずGKは川口能活で、
「楢崎正剛と悩んだが、この1試合でとんでもないことをするといったら能活。イージーミスもあるけどあまり表に出ない。練習のストイックさは真似できない」
センターバックは井原正巳と松田直樹。井原はカバーリング能力の高さとダーティーなプレーのうまさを、松田はメンタリティと頭のよさを理由に選んだという。
両サイドバックは右が名良橋晃で、左が相馬直樹の鹿島アントラーズコンビ。理由は、
「名良橋さんは馬力あるし走れる。ああ見えてフィジカルだけじゃなく頭もいい。相馬さんは目の上のたんこぶ。相馬さんを抜かないと代表で試合に出られなかった。足が速いわけではないが予測が優れている」
と評価した。ボランチは名波浩と稲本潤一。名波はジュビロ磐田のチームメイトであり、プレー中「色んなものが見えていて、色んなことができる選手」だったという。稲本は新しいタイプのボランチで、攻撃に参加でき点も取れることに衝撃を受けたと話した。
2列目は中田英寿と中村俊輔。
「中田は若い時から別格。代表だとロッカーが隣で試合前に本を読んでいた。いろんな意味で規格外。俊輔はJリーグで初めて対戦した時に削らなきゃと思った。ボールを持たせたらヤバイ、潰しにいかないとと思った。最初は止められていたが、だんだん止められなくなった」
ツートップは三浦知良と中山雅史。Jリーグが始まった時のカズは点が取れてパスが出せてドリブルもできたことに驚いたと話した。そして先輩の中山は、
「日本代表の魂を持っている。昔はヘタクソだったが、練習で上手くなった人。大事な時に点を取る天性のものを持っている。普段は地味なんですけどね。移動の時、バスの一番後ろで漫画を読んでいる。誰とも喋らない。話が嫌いなわけではないけど『俺はひとりでいいから』という人」
とし、意外な素顔を明かした。
服部氏が選んだ11人はカズを除いた10人が1998年フランス大会と2002年日韓大会のメンバー。いわば日本代表黎明期のドリームチームだ。前園氏のYouTubeチャンネルではアトランタ五輪のメンバーだった田中誠氏もベストイレブンを発表している。見比べてみると2人の性格がよくわかり面白い。
(鈴木誠)