11月上旬に行われたNHKと民放各社の世論調査では「不支持」が過半数となり、危険水域に入った岸田内閣。不人気の原因など、評論家でなくても全ての国民が知っている。「やることなすことドケチ」な上に「口を開けば増税」だからだ。
なにしろ岸田内閣が言う適材適所が聞いて呆れるのは、公職選挙法違反事件に関連した可能性がある柿沢未途氏の法務副大臣辞任に続く、これまた財務副大臣を更迭された神田憲次氏の税金滞納だ。財務省の副大臣としても税理士としても、国民に増税と納税の理解を求める立場でありながら、
〈神田氏が代表取締役を務める会社は固定資産税と都市計画税を9回にわたり、計344万3800円滞納していた〉
と東京新聞に報じられている。財務副大臣が税金を収めていないのに、国民にどの口で増税と言うのか。
岸田内閣のセコさは、これだけでにとどまらない。武見敬三厚労相は11月7日、製薬企業24社に、不足している咳止め薬、去痰剤の増産を要請した。その席上、製薬企業からは薬価上の措置や増産にかかる費用の支援を求める意見が出た。当然だろう。
医師が処方する咳止め薬は、1錠5.9円。去痰剤は1錠5.7円にまで薬価が抑えられている。子供用の咳止めシロップに至っては2.6円と、毎食後5日分の薬代でチロルチョコ1個も買えない。製薬企業が24時間生産ラインを稼働して量産したところで、岸田内閣が薬価を上げない限り、製薬企業の儲けは出ず、社員のボーナスが飛ぶことになる。
一方で、アメリカと日本の製薬企業が共同開発した認知症治療薬には、400万円の高値をつける大盤振る舞い。しかも認知症老人の医療費自己負担額はわずか3万円、残りの390万円は現役世代に負担させる。その上、日本の製薬企業には、わずか2円の薬を不眠不休で給与を減らしてでも増産しろ、という。増税クソメガネと財務官僚は、日本人を「駆逐」したいのか。それならそうと、ハッキリ言ってほしい。
地上波テレビ各社はヒステリックに「薬が足りない」と騒いでいるが、実は咳止め薬も去痰剤も、在庫は十分にある。処方箋薬局に在庫がないだけで、同じ成分の市販薬はドラッグストアに山積みされている。
幼児から老人まで、薬局で1箱800円以下で買える咳止め薬や去痰剤を「病院でタダで処方してほしい」というなら、所詮はその程度の咳、痰。眠れないほど辛い咳を止めたければ、800円の薬代は決して高くはないだろう。
つまり「日本医師会の天皇」と言われた武見太郎の三男である武見大臣が、国民に「処方薬が足りないから、医者にかからず薬局で薬を買って」とさえ言えば経済が回るのだが、自民党と公明党はなおも開業医と高齢有権者に忖度し、日系企業をイジメ抜く。最悪だ。
極め付きは、将棋の藤井聡太八冠への「内閣総理大臣顕彰」。竜王戦最終決戦の地・北海道で乗り鉄を楽しむ間もなく授与式に臨んだ藤井八冠だが、前人未到の偉業を成し遂げても「国民栄誉賞」はお預けとなった。棋士で国民栄誉賞を受賞したのは、いずれも2018年受賞の羽生善治永世七冠(当時51歳)と、囲碁の井山裕太七冠(当時32歳)。これも2018年まで羽生永世七冠に国民栄誉賞を授与しなかった歴代総理がイケズなだけではなかろうか。
世界の投資家が、日本に見切りをつけたということなのか。円安が進む一方で、財務省は国民にシレッと海外投資を促す広報を始めた。海外投資の勧めは日本経済終わりのフラグなのか。ドケチな岸田総理が辞職しない限り、円安の日本経済凋落は底なし沼となろう。
(那須優子)