ところで「保全命令」とはどういったものか。岡野法律事務所九段下オフィスの伊倉秀知氏によれば、
「保全命令とは、緊急性が高い場合に裁判が終了するまでの間に権利が実現できるよう、裁判所が出す仮処分命令のようなものです。ただし最終的にどうなるかは、本訴の審理の行方次第になる。あれからもう3カ月も経っていますから、普通なら審理は粛々と進められていると考えられます」
だが、会見以降、外部には何の情報ももたらされていない。そして、福原の行方はようとして知れない。
ところが、互いに膠着状態ともいえる状況の中、最近になって少し動きがあった。江が10月13日に長女の誕生日を祝うメッセージをインスタグラムに投稿。30日にも、ハロウィンで仮装した長女の姿をアップし、何としても長男も取り戻したいという思いを匂わせた。
一方、福原は10月23日に小紅書(中国版インスタ)に公式アカウントを開設して、少し痩せたような髪が伸びた姿をアップしたのだ。こちらは笑顔を振りまきながら流暢な中国語で15秒の動画メッセージを送っている。現地では絶大な人気を誇る福原だが、改めて中国ファンに支援をアピールしたということなのだろう。
スポーツ紙芸能担当記者が語る。
「福原にはTリーグのプロ卓球チームの社外取締役や青森大学の客員准教授などの肩書もあったが、前者は6月に退任、准教授としての講義も6月に1回だけ行ったきりと、こちらもほぼフェードアウト状態です。ですから、日本の芸能界の大物の庇護の下にあるとか、資金の援助を行っている中国企業のスポンサーがいるといった説もあるのです」
真相はヤブの中だが、実は、捜査一課の刑事が訪ねた先も、中国企業のルートからなのだという。
一課の動きを窺う全国紙記者はこう言及する。
「確かにこのところ、しきりに行方を探していたようですが、今のところ福原にフダ(逮捕状)が出たとは聞いていません。ただ、身辺調査のようなものでも一課の刑事が動いたわけですから、今後は強制捜査に踏み切る可能性もあります」
海を隔てた親権トラブルが〝台湾有事〟に発展しないことを願うばかりだ。