先日、イチ早く沖縄県民は選挙で民意を示した。これは、本当にすばらしいことだよ! それだけ県民が政治の問題を身近なものとして捉えているということだからね。
【沖縄県知事選・翁長氏勝利でどうなる辺野古移設】
11月16日の沖縄県知事選挙で「辺野古への基地移設阻止」を訴えていた、前那覇市長の翁長雄志氏が当選を果たした。移設受け入れを表明していた現職の仲井眞弘多氏を大差で破った。投票率は前回知事選より上がって64.13%で、翁長氏の得票率は50%を超え、県民が移設反対の意思を国に突きつける形となった。
県知事になった翁長さんは、もともと自民党の所属なんだよ。県連の幹事長まで務めた人が、辺野古移設を止めるために無所属となって立ち上がった。男じゃないの! それに対して、仲井眞さんは「交付金500億円を取った」とか「政府とのパイプ強い」なんてことを選挙戦でチラつかせていた。それで勝とうというのが、私に言わせればナンセンスだよ。どれだけ、仲井眞さんのせいで失ったものがあるか、気づいてないのか、それとも気づかない振りしているのか‥‥。そういう意味でも、スカッとする結果だったね。
翁長さんに対して、選挙戦中から移設阻止の具体的なプランが明示されていないという批判があった。でも、重要なのは移設阻止を訴えて、勝利したこと。普天間基地をどうするかという問題はあるけど、最終的には日本から米軍に撤退してもらうという流れを作っていかなきゃダメ。翁長さんはこれから国との地道な戦いが待っていると思う。県が持っている裁量権って、けっこうありますから、翁長さんには善戦してほしいね。沖縄の民は沖縄空手を生み出したりして、徒手空拳で自分たちの身を守ってきた人たちだから、おとなしいと思ったら大間違いだ。これからの戦いには注目していますよ。
そして、今回の選挙結果は沖縄県民の総意ではあるけど、日本全国民に向けられたメッセージだと思う。8月15日は終戦記念日、8月6日は広島の原爆の日と、皆がスラスラ答えられるけど、「6月23日は?」と聞くと答えられない。沖縄の地上戦が終わった日なのにね。これは、それだけ本土の人間が沖縄をないがしろにしてきた証拠だと思うんだよ。だから、在日米軍の基地の70%以上を沖縄に押しつけていることも忘れている。今回の選挙結果は、そうした国民にも沖縄を思い起こさせる、いい機会になったね。
私が今もキャスターやっていたら、ガンガン番組で取り上げるのになぁ‥‥。また、そういうこと書くから、東スポに「みの起用」って報じられちゃうんだけどね(笑)。
◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。