ラグビー日本代表の次期ヘッドコーチ(HC)に、オーストラリア出身のエディー・ジョーンズ氏が就任すると発表された。12月14日に会見したジョーンズ氏は「W杯でトップ8を目指したい」と目標を語った。
2015年W杯イングランド大会後に退任して以来の再就任。ジェイミー・ジョセフ全HCはW杯フランス大会で1次リーグ敗退となり、職を退いていた。新HCを決めるにあたり、日本ラグビー協会は、選考に関する一部業務を人材紹介会社に委託して、希望者約80人をリストアップ。面接を経て選考を進めていたのだが、これに疑惑が深まり、物言いが飛び出した。スポーツライターが解説する。
「結論ありきのデキレースだったと、多方面からケチがついています。というのも、日本ラグビー協会の土田雅人会長とジョーンズ氏は懇意の仲。ジョーンズ氏がオーストラリア代表監督だったW杯フランス大会期間中に、協会側と水面下で接触していたことが判明しました。公正な選考が行われている最中には森喜朗氏の介入もあり、協会が意見を仰いでいたことも明らかになっています。プロセスが不透明と言われても仕方がありません」
有力候補だった「ラグビーリーグワン1部で東京ベイ」のフラン・ルディケHCは、最終選考で落選の憂き目を見た。スポーツライターが続ける。
「トップダウンで時代錯誤との指摘もあるハードワークを課すジョーンズ氏に、今の選手がついてこられるか、懸念されています。ジョセフ前HCは選手の自主性を重んじてきただけに、方針が急転回することになります。選手に拒絶感が出て、崩壊につながらなければいいのですが…」
選考が混乱したことで、「ワンチーム」とはほど遠い状況となっている日本代表。ジョーンズ氏とは2027年W杯オーストラリア大会までの4年契約だ。はたしてどういった結果を出してくれるのだろうか。
(田中実)