「4P田中くん」「風光る」「Dreams」などの野球漫画で名を馳せた漫画家・七三太朗(なみ・たろう)氏が、2023年12月30日に亡くなっていたことがわかったのは、同じく漫画家ちばてつや氏の、1月9日のブログの書き込みからだった。
「この書き込みによって、七三氏がちば氏の実の弟だということ、七三氏が四人兄弟の末弟だと知った人は意外に多いようです。『あしたのジョー』を代表作に持つのが長兄・ちば氏。次兄はちば氏らが所属する千葉プロダクション社長。三兄はアニメ化もされた『キャプテン』『プレイボール』を代表作に持つ、ちばあきお氏です。噴門食道接合部ガンで他界した七三氏は79歳でしたが、長兄のちば氏は1月11日に84歳を迎え、今も健在です」(漫画ライター)
昨年3月3日、YouTubeチャンネル〈公益社団法人日本漫画家協会〉に、ちば氏が出演。石ノ森章太郎氏は60歳没、手塚治虫氏も60歳没と、人気漫画家が早くに亡くなる中、ちば氏は健康の秘訣をこう明かしている。
「プロになって2年目ぐらいの時に、病気になっちゃたんですよ。背中に赤い虫が湧いてくるような、それが時に爆発するような、精神的な病気ですね」
病院に通っても原因不明だったが、少年漫画誌から野球漫画の依頼が。野球を知らないちば氏を編集担当者は外に連れ出し、キャッチボールの仕方から教えた。
「私を運動させたわけ。そうしたらね、精神的な病気がいっぺんに治っちゃったんですよ。汗をかいたから。そうしたら頭がなんか冴えて、目がキラキラして、仕事がはかどったの。(運動不足を解消して健康的になると)キャラクターの目がキラキラと生きてくるんですよ」
「あしたのジョー」の主人公・矢吹丈の目が輝いて見えたのは、そういうワケか。
(所ひで/ユーチューブライター)